子どもから大人までワクワクさせたい…マツダミュージアムがリニューアル

マツダミュージアムリニューアルオープン
マツダミュージアムリニューアルオープン全 11 枚

マツダは100周年を記念してミュージアムをリニューアルオープン。関係者の言葉から、ミュージアムの位置づけや、そこにかける思いが伝わってくる。

◆地元広島に根差して

----:このミュージアムの位置付けはどういうものですか。

マツダ取締役専務執行役員コミュニケーション・広報・渉外・管理領域統括の毛籠勝弘氏(以下敬称略):このミュージアムは、マツダが創業してから100年が経ち、3輪トラックで市場参入して以降のクルマの文化と足跡をしっかりと世に残していくというのが1つの役割です。

それから、今後の自動車、あるいはクルマ作りが、どういう方向に進んでいくかというインジケーションを常に時代の流れに合わせて入れ込むことで、見学に来た皆様がワクワクするような気持ちになってもらえる場になってほしいですね。

そして我々はブランド価値経営というものを一生懸命磨き上げようとしています。この場に来られた方々が、その価値を体験してもらえる場として非常に重要だと捉えています。

----:では、今回のリニューアルを通してマツダをどのような会社だと伝えたいですか。

毛籠:マツダは、地元広島の歴史と共に生きてきた企業であることをもとに、もの作りに対する強いこだわりを持っています。それから、デザイン、技術といったものを真摯に考え続けてきた会社であることを理解していただきたいと思っています。

加えて、このミュージアムを見学いただく中には生産現場を見るコースもあります。これは非常にユニークなもので、実際にものを作っている現場のライブ感を含めて、自動車会社、マツダというものの輪郭を感じていただきたいですし、心のこもった節遇でおもてなしをしたいと考えています。

マツダミュージアムリニューアルオープンマツダミュージアムリニューアルオープン

----:ミュージアムの空間構成やデザインをご担当した前田さんはいかがですか。

マツダシニアフェローブランドデザイン前田育男氏:我々が持っている過去の資産を大事に現代に受け継いでいるところは、デザインの形の変遷を見ていただくと理解していただけるでしょう。過去のクルマは人の手で作られる要素がすごく多かったので、“人”を感じるところが多いのですが、時代が変わってもクルマや道具に魂を込めるという作業は普遍であることを意識してストーリーを作っていきました。そこをぜひ感じていただきたいですね。

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◆子供の原体験に、そしてあきらめない企業を感じて

----:マツダミュージアムは子供たちの学習の場にもなっています。今後はオンラインにもさらに力を入れて進めていくとのことですが、昨今若者のクルマ離離れといわれる中で、この施設がどういった存在になればいいとお考えですか。

毛籠:小学生ぐらいの子供たちが目をキラキラとさせて、展示しているクルマ、コンセプトカー、エンジンに実際に触れる体験の場として、ぜひ多くの皆様に見ていただきたい。やはり、若い頃、幼い頃のキラキラとした感動の体験は、大人になっていく中で非常に重要な経験になると思いますので、このミュージアムがそのひとつとして役に立てれば大変嬉しいです。

----:では、その子供や来館者も含め、どういったメッセージを感じてほしいですか。

毛籠:それぞれ皆さんの受け取り方次第ですが、マツダはクルマ作りへの真摯な取り組み方で、100年紡いできた会社です。精神面としても、諦めない挑戦を小さい会社がずっと続けてきた結果が100年、地元企業として存立していることです。

そして子供の皆さんにはクルマって面白そうだなと、形がキレイだなと、かっこいいクルマがあるなといった原体験みたいなものを感じ取ってもらえればなと思いますが、それぞれの方々の視点で切り取って感じてもらえればうれしいです。

◆ブランドはお客様の中で育まれるもの

----:先ほどブランド価値経営というお話がありました。商品を通じてブランド価値を高める取り組みをしていると思いますけれども、今回のリニューアルもその範囲にある、同じ方向性を向いている取り組みという理解でよろしいですか。

毛籠:おっしゃる通りです。ブランド価値経営と申しましても、ブランドというのはお客様の頭の中に存在する無形の資産ですので、マツダのブランドが良いとか悪いとか判断するのは我々ではなくお客様です。我々は、マツダの考える自分たちの独自の価値を、どのタッチポイントでも一貫してお伝えをすることを真摯に取り組むとことで、お客様の中に我々のブランドのイメージができていくものだと考えています。この場所もお客様との重要な出会いの場、絆を育んでいく場という位置付けをしていますので、今後、お客様が実際に来館をいただく、あるいはオンラインで接していただくということをとても期待しています。

----:博物館や美術館は1度お客様に来てもらうだけではなく、リピーターにもなってもらいたい場だと思います。そのためには、常設展だけではなくて企画展を行わなくてはいけないと考えますがいかがですか。

マツダコーポレート業務本部総務部コーポレートサービスグループの佐藤貴哉氏(以下敬称略):まずイベントについては鋭意検討中で、具体的なことはまだお答えできる状態にはないのですが、今後、様々なイベントを実施しようとしております。

また、イベントだけではなく常設展示も定期的にバックヤードにあるクルマと入れ替えることも考えており、なるべく1度来館して満足するだけではなく、またもう1度来たい、そしてまた来た時には違う新たな楽しさが見つけられるようなミュージアムにしていこうと思っています。

----:オンラインでも見学できるというところは大変画期的だと思います。そこで、オンラインならではの工夫などはありますか。また、ミュージアムショップの商品を通販で購入できれば楽しいですね。

佐藤:例えばドローンを使った動画を公開しています。まさにドローンならではの視点で見ることができるので、通常の見学とはちょっと違う目線から館内を見られるようにしています。また、いくつかのページに、弊社のオフィシャルサイトに散らばっている様々な情報をリンクとして貼っています。その内容はミュージアムとは少し目線が違った情報を掲載していますので、そういった点でもお楽しみいただけるかなと思っております。

それからグッズについてもサイト上にオンラインショップと連動させており、マツダミュージアムで販売している全てのグッズではありませんが、おおよそほとんどのグッズを通販からでも購入いただけます。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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