スカイラインの“魂”がこもる本気のスポーツクーペ…日産 レパード[ネオクラ回顧録]

スカイラインの“魂”がこもる本気のスポーツクーペ…日産 レパード[ネオクラ回顧録]
スカイラインの“魂”がこもる本気のスポーツクーペ…日産 レパード[ネオクラ回顧録]全 17 枚

かつてクルマは販売店ごとに異なる車種を販売するという方式がとられていました。日産自動車は日産店、日産モーター店、日産サニー店(のちに日産サティオ店)、日産プリンス店、日産チェリー店が存在していました。

【画像全17枚】

このなかで日産店は日産直系の乗用車系販売店で『フェアレディZ』や『プレジデント』、『ブルーバード』を扱う拠点でした。ブルーバードは日産店の量販モデルです。フェアレディZの広告などでは日産店という表現ではなく「ブルーバード販売店」という表現が使われたほどだったのです。

ブルーバードは1959年に登場したモデル(310)で、1971年に4代目(610)となります。この4代目モデルで6気筒エンジンが搭載されます、6気筒モデルは1976年発売の5代目(810)まで搭載され、1979年まで存在しますが、1979年に導入された6代目(910)でエンジンが4気筒に統一されます。4気筒となったブルーバードは商品としては成功しますが、日産店にはやはり6気筒モデルが欲しかった(プレジデントはありましたが)のでしょう、北米向けの『マキシマ』をベースとして『レパード』を作り上げます。マキシマそのものがブルーバードベースなので、日産店で販売されるモデルとしては正しい血統といえます。ただし、開発を率いたのは『スカイラインGT-R』の生みの親、桜井眞一郎氏、プリンスの血でした。

1984 4D H/T 300 Turbo Grand Edition1984 4D H/T 300 Turbo Grand Edition

初代のレパードは6気筒エンジンを収めるためにロングノーズが与えられピラード4ドアハードトップと2ドアハードトップの2種のボディが用意されました。角形4灯のヘッドライトにマス目のグリルはどこかアメリカ車のような香りが漂ってきました。

1984 VG30ET Engine1984 VG30ET Engine

搭載されたエンジンはL型6気筒の2リットルと2.8リットル、ブルーバードにも搭載されたZ型4気筒の1.8リットルでした。途中でエンジンは2.8リットルを2リットルターボに変更することで1度2リットルオーバーを廃止しますが、のちに3リットルV6ターボを追加します。

1986 Ultima1986 Ultima

2代目レパードは1986年に登場します。2代目レパードをまとめ上げたエンジニアは、R32スカイラインGT-Rの統括を行った伊藤修令氏(ローンチ時は異動のため山羽和夫氏となっていた)。つまり、2代目レパードもプリンス出身、しかもGT-Rの父が担当したのだった。2代目レパードはR31スカイラインをベースに開発され、2ドアハードトップのみの設定となり、4ドアは廃止されます。

1986 Ultima1986 Ultima

搭載されたエンジンはすべてVG型V6で、2リットルOHCから3リットルDOHCターボまで多彩に用意されました。横長の角形異型ヘッドライトを用いた薄くシャープなノーズがスタイリッシュなエクステリアや、フラットなインパネにデジタルメーターやオーディオを配したデザインは先進さにあふれていました。

2代目レパードは刑事ドラマの劇用車として使われたことが有名なのですが、筆者はクルマを壊すことで視聴率を稼ぐような演出には疑問を持ちますし、本放送当時も再放送も観ていませんので、その話題は割愛します。

1992 Leopard J. Ferie Type X1992 Leopard J. Ferie Type X

1992年にフルモデルチェンジした3代目でレパードは大変革します。2ドアハードトップ&4ドアハードトップから始まり、2ドアハードトップのみとなったレパードは4ドアセダンのみとなるのです。車名もレパードから「レパードJ.フェリー」に変更されます。初代はマキシマベースのモデル、ふ代目はスカイラインベースのモデルでしたが、あ代目はなんと日本には存在しないインフィニティ『J30』の日本仕様化だったのです。

1992 Leopard J. Ferie Type X1992 Leopard J. Ferie Type X

すでにバブルは崩壊していましが、その余韻は残っていてレパードJ.フェリーは豪華なクルマに仕上げられたのです。初代、2代目とは明らかに異なる丸みを帯びたゆったりと余裕のあるボディは、当時たしかに賛否があったのは間違いありません。しかし、今あらためてみると圧倒的なオリジナリティを感じることができ、時代がデザインに追いついたような感じを受けます。インパネまわりは基本に忠実なデザインながら、落ち着き感と上級さを感じるものでした。インテリアでもっとも注目なのは、ポルトローナフラウというイタリアの高級家具メーカーが手がけたレザーシートです。オプションで用意されたこのレザーシートの価格はなんと80万円もしたのです。

1992 VH41DE engine1992 VH41DE engine

エンジンは4.1リットルV8と3リットルV6の2種が用意されていました。なんといってもレパードJ.フェリーの魅力はV8の大トルクを楽しめるという部分です。V8エンジンを搭載するモデルはレクサスなどは比較的多くの車種がありますが、中古車としてリーズナブルな価格で手に入れることができるV8エンジン搭載車で、なおかつ圧倒的な存在感を放つとなればレパードJ.フェリーにかなうクルマはないといえるでしょう。燃料の高騰、初度登録後13年超の重課税を考えると、多大な維持費を必要とするモデルですが、一生のうちに1度くらい、こんなクルマを所有するのもなかなかオツなものだといえるでしょう。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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