【トヨタ ノア/ヴォクシー 新型試乗】「失敗は絶対に許されない」切実な事情…渡辺陽一郎

トヨタ ヴォクシー
トヨタ ヴォクシー全 16 枚

先代『ノア&ヴォクシー』は、プラットフォームなどの設計が古く、さらに進化させるのが困難な状態だった。そこで新型はプラットフォームを刷新して、ノーマルエンジンは『ハリアー』と同じタイプに変更した。ハイブリッドは第5世代に入り、WLTCモード燃費は、売れ筋になるエアロパーツ装着車の場合で23km/リットルだ。先代型は19km/リットルだったから、新型に乗り替えると、燃料代を17%節約できる。

【画像全16枚】

トヨタ ヴォクシー ハイブリッドトヨタ ヴォクシー ハイブリッド

運転感覚も向上して、ハイブリッドは先代型に比べると、モーターが力強くなった。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時など、滑らかに速度を高める。走行安定性も先代型に比べて進化した。操舵した時の反応が正確になり、手応えの曖昧さを払拭している。挙動変化も穏やかで、後輪の接地性も高まり、さらに安心して運転できる。足まわりが柔軟に伸縮するから、16インチタイヤ装着車については、乗り心地も快適だ。

ただし新型では、居住性の変化に注意したい。1列目から3列目までの寸法は、プラットフォームの刷新によって20mm減ったから、足元空間が少し狭まった。4名乗車は可能だが、多人数乗車時の快適性は少し低下している。安全対策などのために床の位置が先代型よりも20mm高いから、乗降性も若干悪化した。

トヨタ ヴォクシートヨタ ヴォクシー

その一方で、安全装備は大幅に充実している。電動スライドドアが開き掛けている時、周囲に車両が近付くと、スライドドアの作動を停止する機能も採用している。運転支援機能では、高速道路の渋滞時に、手離し運転が可能になった。

新型ノア&ヴォクシーは、海外で販売されないミニバンだが、多額の開発費用を投入した。従って国内で大量に売る必要があり、膨大に保有されている先代型のユーザーに、新型へ乗り替えてもらわねばならない。居住性や積載性などミニバンの実用性は、先代型も十分に高かったが、新型の安全装備がここまで充実すれば乗り替えも誘致しやすい。

トヨタ ヴォクシートヨタ ヴォクシー

つまり新型ノア&ヴォクシーの装備が先進性を大幅に高めた背景には、「販売面の失敗は絶対に許されない」という切実な事情があった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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