キャデラックの電動SUV、340馬力の『リリック』…米国受注開始へ

1回の充電での航続は502km

キャデラックの最新デザイン言語

ハンズフリー走行が可能な「スーパー・クルーズ」

キャデラック・リリック
キャデラック・リリック全 10 枚

キャデラックは5月16日、ブランド初のEV『リリック』(Cadillac Lyriq)の受注を5月19日、米国で開始すると発表した。現地ベース価格は、6万2990ドル(約815万円)だ。

◆1回の充電での航続は502km

リリックには、GMの新世代の電動車向けアーキテクチャ「アルティウム」プラットフォームを採用する。モーターは、最大出力340hp、最大トルク44.9kgmを引き出し、2WDモデルの場合、後輪を駆動する。12個のモジュールで構成される蓄電容量100kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、2WDモデルの場合、1回の充電で502kmの航続を可能にしている。

出力190kWのDC急速充電に対応しており、およそ10分で、約122kmの走行に必要なバッテリー容量を充電できる。自宅向けには、出力19.2kWの充電システムが用意され、1時間の充電で約84km走行分のバッテリー容量を充電できる。デュアルレベルの充電コードが付く。

電動ドライビングエクスペリエンスをコントロールするため、「ワンペダルドライビング」と新世代のGM独自の回生ブレーキシステムの「バリアブル・リジェン・オン・デマンド」テクノロジーを採用する。キャデラックの新しい回生ブレーキシステムにより、ドライバーは、ステアリングホイールに備わる感圧パドルを使って、どれくらいのスピードで減速し、完全に停止するのかを制御できる。いずれのテクノロジーも、回生ブレーキを利用して、EVの走行効率を高めている。

キャデラック・リリックキャデラック・リリック

◆キャデラックの最新デザイン言語

リリックには、キャデラックの最新デザイン言語を導入する。フロントには、ブラック仕上げのクリスタルグリルを装着した。スリムなLEDヘッドライトは縦に長い垂直デザインで、キャデラックによると自動車業界初という。ボディカラーには、サテンスチールメタリックやステラブラックメタリックが設定される。アルミホイールは20インチのスプリット6スポークが標準。オプションで22インチのダイナミックスプリットスポークが選択できる。ボディサイズは、全長4996mm、全幅1977mm、全高1623mm、ホイールベース3094mmだ。

インテリアは、すっきりとしてシンプルで、2Dおよび3Dのデザイン要素を重視している。ウッドとメタルの組み合わせに、レーザーで複雑にエッチングされたパターンを施したデザインを採用した。湾曲した大型LEDスクリーンを中心に、すべてのコンポーネントが組み込まれ、テクノロジーと照明、装飾に一体感をもたらしているという。

ダッシュボードには、大きく湾曲した33インチの大型LEDスクリーンを採用した。10億色以上の色を再現できる性能を備える。キャデラックの新世代のアクティブノイズキャンセリングシステム、「KeyPass」と呼ばれるデジタルキー、ヘッドレストスピーカー付きの「AKGStudio」の19スピーカーオーディオシステムなどを用意している。

キャデラック・リリックキャデラック・リリック

◆ハンズフリー走行が可能な「スーパー・クルーズ」

高速道路などでハンズフリー走行を可能にする「スーパー・クルーズ」をオプション設定する。ハンズフリー高速道路運転支援システムのスーパー・クルーズは、地図情報データベース「ライダー(LiDAR)」、高精度GPS、最先端の「ドライバー・アテンション・システム」、カメラとレーダーセンサーのネットワークを組み合わせた。緊急時には、車載テレマティクスサービス「オンスター」と連動する機能も備えており、ユーザーは、アメリカとカナダの合計32万kmにおよぶ自動車専用高速道路を、ハンズフリーで走行することができる。

スーパー・クルーズには、自動レーンチェンジ機能が導入される。ドライバーからの要求があり、かつ特定の条件が満たされた場合に、ハンズフリーの部分自動運転中に、高速道路で車線変更を自動で行う。スーパー・クルーズの作動中、ドライバーはウインカーに触れて、車線変更を希望する意思を表示する。これにより、システムは車線変更が安全に行えるかどうかを判断し、安全が確認された場合、自動で車線変更を行う。なお、ドライバー・アテンション・システムは、車線変更中にドライバーが引き続き、車両の周囲に集中することを要求する。

スーパー・クルーズの「ドライバー・アテンション・システム」は、ドライバーの車両コントロールをサポートする。進行方向に注意を向ける必要がある時には、警告を発して知らせてくれる。ドライバーは、スーパー・クルーズを使用している間であっても、常に注意を払う必要がある、としている。


《森脇稔》

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