スピーカーとパネルをいかに自然に“馴染ませる”か[サウンドユニット セッティング法]

ドアスピーカーが「アウター化」されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。
ドアスピーカーが「アウター化」されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。全 4 枚

カーオーディオ製品の性能を十二分に引き出すためには、取り付け作業を正しく丁寧に行う必要がある。当連載では正しい取り付け方とはどのようなものなのかを紹介しながら、カーオーディオの奥深さを紐解こうと試みている。今回も、「アウター化」の製作方法を解説していく。

さて、「アウター化」とは、ミッドウーファー(ドアスピーカー)の装着面をドアパネル面まで立ち上げる取り付け方のことを指す。そうすればスピーカーの振動板から放たれる音情報を100%車室内に放出できるようになるので、サウンドクオリティが一層良化する。

で、このような取り付け方を完成させるにはまず、スピーカーの土台となるパーツである「インナーバッフル」を厚く作る必要がある。その厚みをミリ単位で調整し、スピーカーの装着面の高さをパネル面とピタリと合わせる。ここまでの製作方法を前回の記事にて説明した。

そしてその次には、カットしたドアパネルと立ち上げたスピーカーとを美しく馴染ませる必要がある。なお、その加工法は細かくはさまざまあるのだが、大きくは2タイプに分類できる。1つはスピーカーを固定する面と内張りパネルとを別体化させておく方法で、もう1つは取り付け面に「バッフルボード」と呼ばれる板を1枚噛ませてスピーカーを固定する方法、この2つだ。

比較的に手間がかかりにくいのは前者だが、とはいえ作業は簡単ではない。スピーカーの立ち上げ量や内張パネルのカットを正確に行う必要があるからだ。さらにはスピーカーのフレームの上に化粧パネルを被せて一体化しているように見せる場合もあり、そのような仕上げ方をする場合にはさらに手間がかかってくる。

一方後者は、「バッフルボード」を内張りパネルと一体化させる工程が加わるので、難易度がさらに高まる。しかしながら手間がかかる分、音的には利がある。内張りパネルの強度を高められるので、パネルの共振を一層抑え込める。

なお、仕上げ方もさまざまだ。ドアパネルの下半分を完全に作り替えてゴージャスに見せたり、または大改造をしながらもあくまでも純正然として仕上げられることもある。そのあたりは、オーナーの好みに応じて変えられる。

今回は以上だ。次回からは新たな章に突入する。お楽しみに。


《太田祥三》

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