【ホンダ ステップワゴン 新型】安部執行役常務「反転攻勢をかけ、シェアを取り戻す」

ホンダ・ステップワゴン新型と日本本部長の安部典明執行役常務(右)、左は開発責任者の蟻坂篤史氏
ホンダ・ステップワゴン新型と日本本部長の安部典明執行役常務(右)、左は開発責任者の蟻坂篤史氏全 10 枚

ホンダは5月26日、6代目となる新型『ステップワゴン』の発表会を東京・青山の本社で開催した。価格は299万8600円~384万6700円で、販売目標は月間5000台だ。

発表会の冒頭、挨拶に立った日本本部長の安部典明執行役常務は、「20年以上育ててきた極めて大切なモデルで、ホンダブランドを代表する、ど真ん中のファミリーミニバン」と強調。しかし、ここ数年は思うように販売を伸ばせていないそうだ。

「ステップワゴンが属するミドルミニバンの市場は、ミニバン全体の約50%を占めており、各社の主力モデルがひしめく激戦区となっている。かつては市場シェア1位を獲得していたステップワゴンだが、直近では苦戦を強いられているのが現状だ。この新型ステップワゴンで反転攻勢をかけ、シェアを取り戻したい」と安部常務は話す。

1996年に発売した初代は約48万台を発売して爆発的なヒット車となったが、2代目約29万台、3代目約27万台、4代目約33万台、5代目約34万台と初代に比べて販売台数が大きく下回っている。さらに、2021年度の販売台数が3万2975台で、ライバルのトヨタ自動車の『ヴォクシー』(5万7972台)、日産自動車の『セレナ』(5万6458台)に2万台以上も少ない。

ミドルミニバンの先駆者でもあるステップワゴンがこの体たらくでは、ホンダを代表するクルマとは言えないだろう。このままでは同時期に発売して一世を風靡した『オデッセイ』や『CR-V』のようになってしまうかもしれない。

そこで6代目の開発陣が出した結論は「原点回帰」で、「主役はクルマではなくて家族」。家族それぞれのライフスタイルを素敵に引き立てることを目指したという。特に3つのことにこだわったという。

まず「安心」と「自由」表現したスタイリング。クルマ全体でカタマリ感のあるボディによる安心感と、シンプルで誰にでも似合うような自由なフォルムを表現した。2つ目がくつろぎの室内空間。国内ホンダ車で史上最大の室内空間を実現し、どの席でも快適に過ごせるリビングのような居住性した。3つ目が移動時の信頼性。車両感覚をつかみやすい視界と、乗り物酔いをしづらくする工夫により、乗る人みんなが安心して過ごせる空間を目指した。

もちろん安全装備も充実している。最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備。アダプティブクルーズコントロールは、全タイプで渋滞追随機能付きへと進化してより安心で便利になった。そのほか、あたらな機能として、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、オードハイビーム、そして渋滞運転支援機能であるトラフィックジャムアシストを追加した。

今年1月にデザインを公開するなど早くからPRをしたこともあって、受注状況も好調で、現在その数は約1万8000台にのぼるそうだ。ただ、半導体不足や上海のロックダウンの影響で納車が遅れており、ハイブリッド車で約5カ月、ガソリン車で約4カ月待ちの状態になっている。

ホンダとしては、乗用車メーカー最低の営業利益率を上げるためにも、収益性の高いステップワゴンをできるだけ多く生産し、販売したいところだ。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《山田清志》

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