2025年日本国際博覧会来場者輸送対策協議会は6月9日、2025年日本国際博覧会(2025大阪・関西万博)の来場者輸送へ向けた基本方針を明らかにした。
大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催されるが、会期中の総来場者数は約2820万人と想定されている。

来場者輸送は、コスモススクエア駅(大阪市此花区)から夢洲へ延伸される大阪港トランスポートシステム北港テクノポート線による鉄道、シャトルバス、自動車、船舶が想定されているが、このうち鉄道は1日あたり11.8万人の利用が想定されている。

この想定では来場者の41%が鉄道に集中することになるが、対策を講じない場合、大阪メトロでは朝ラッシュ時に中央線が弁天町→朝潮橋間で186%、御堂筋線梅田→淀屋橋間で150%超の混雑率が予想され、万博会期中の混雑増加が懸念されている。そのため、対策協議会では混雑率を新聞を広げて楽に読むことができる程度の150%以下を目標に、大阪メトロ中央線での車両新造や施設改良により、ピーク時1時間あたり24本の運行とする輸送力増強を実施。大阪中心部や大阪都市圏、主要ターミナルから会場行きシャトルバスを運行し、鉄道輸送を補完するとしている。

また混雑平準化の取組として、入場できる期間や時間帯を限定したチケットの発売や時間帯別の予約枠の設定、時差出勤やテレワークなどの働きかけも行なうとしており、対策協議会では今秋までにこれらの取組内容の具体化や態勢づくりを行なう方針。