【メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン 新型試乗】40mmアップの地上高、4WDにディーゼル。全く隙がない…中村孝仁

40mm引き上げられた地上高、だがロール剛性は

常用スピードを最大トルクで走れる

つい見入ってしまうARナビ

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)
メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)全 33 枚

兄貴分にあたる『Eクラス』のそれと同じ、「オールテレイン」の名称が『Cクラス』にも誕生した。

【画像全33枚】

Eクラスのオールテレインが登場したのは2017年。現行Cクラスオールテレインと同じ「220d」の名を持つOM654というエンジンを搭載していたのだが、最新のC220dはそれよりも進化したOM654Mと呼ばれるエンジンを搭載する。

40mm引き上げられた地上高、だがロール剛性は

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)

ただ、最新のカタログを見るとEクラスのオールテレインは少なくとも日本市場のカタログからは姿を消していて、どうやらC220dがそれに取って代わったのだろうか。このOM654Mは従来のOM654に対しストロークを延長して排気量が僅かながら拡大し、コモンレールの直噴噴射圧も従来よりも向上。結果としてパワートルク共に向上している。そして新たに48VのISGが組み合わされていることが大きな違いである。

通常のCクラスステーションワゴンと比較すると、全高が40mm高い1495mm。最低地上高もこれに即応して110mmから150mmへとアップ。つまり地上高分だけ全高が高いというわけだ。それだけ車高が高い上に4WDの4マチックとくれば、試乗ルートにもそれなりの道を選ばなくてはいけないところだが、残念ながら今回はそれができていない。

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)

では40mm引き上げられた地上高によってロール剛性は損なわれているのかというと、まあ、一般的に流れに乗ったスピードでも、ちょっとワインディングを飛ばす程度のスピード域でもその違いを感じることはまずない。それにしても最近のメルセデスのクルマの仕上がりは本当に隙が無いというか、突っ込みどころのないクルマになっている。だから、足の印象からエンジンのスムーズな吹け感と言い、室内の仕上げ感などまあ文句のつけようがない。恐らくディスプレイがかつてのアナログメーターに取って代わられているあたりは、世代によっては抵抗感があるかもしれないが、これも時代の流れ…である。

常用スピードを最大トルクで走れる

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)

ただ、ケチをつけるならさすがに4気筒ディーゼルではエンジンルームをカプセル化したところで漏れ出る音を封じ込めるだけのことはできず、まあそれなりのディーゼルらしい音を奏でるというあたりか。と言ってそれが耳障りであるかと言えば全くない。最高出力200psに最大トルク440Nm。しかもその440Nmは1800rpmから発揮されて1000rpmの間続くわけだから、およそ常用スピードと言える速度域はほとんど最大トルクで走っていることになる。だから実に力強い。

ISG導入によって今回は加速時もモーターアシストの恩恵を受けるのだが、それが感じられないのは重さのせいだろうか。それほど良いダッシュ力とは感じられなかったのだが、近年は都市内のスピードも以前より下がっているし、ガソリン高騰で(と言ってこちらはディーゼルだが)皆さんアクセルを踏み込むのに躊躇しているからか、加速に関しては何の不都合も感じないから心配は無用。高速でも至って力強く加速する。

つい見入ってしまうARナビ

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)

今回眼から鱗だったのは、ARナビの威力とヘッドアップディスプレイの進化である。まずARナビ。もう体験している読者もいるだろうが地図上ではなく前を映す映像の中に曲がるべき方向を示してくれる(具体的には青の矢印が映像内に示される)から、これだと間違えようがない。ただ、画面を見ながら走行すると危険も伴うのでチラ見で済ますようにするのが良い。ただ、初体験の場合はつい見入ってしまうこと請け合いである。

もう一つのヘッドアップディスプレイだが、とにかく表示が巨大でまるで数m先の路面に投影しているといった印象。スピードのみならずナビもこちらに映し出してくれる。地図さえ間違いがなければ一番楽ちんに目的地までたどり着ける。

それにしても地上高の高いボディに4WDとディーゼルのトルクフルな走りが一体化したこのクルマ。全く隙なしのクルマである。

メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)メルセデスベンツ Cクラスオールテレイン(C220d オールテレイン)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来44年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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