【マツダ CX-60】開発主査「“走る歓び”をエンターテインメントまで高める」…気持ちに響く「音とリズム」とは

マツダ CX-60 25S Sパッケージ
マツダ CX-60 25S Sパッケージ全 13 枚

マツダはラージアークテクチャーを採用したSUV、『CX-60』の予約受注をいよいよ6月24日より開始する。マツダにとってプレミアムセグメントへの挑戦の始まりだ。

「音とリズム」にこだわったというマツダ『CX-60』

CX-60の開発を取りまとめたマツダ商品本部 副本部長兼主査の和田宜之氏は、「CX-60はマツダ独自のアプローチにこだわり、磨きをかけて進化させてきたミッドサイズのSUVだ」と紹介する。そして、「マツダにとって、これからの一時代を築いていくラージ商品群のトップバッターであり、マツダのブランド価値経営がこれからさらに新しいステージに入っていくということを、技術と商品両方で具体的に示す役割を担った商品だ」と定義する。

“走る歓び”をエンターテインメントに

マツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツマツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツ

「世界中で、最もスタンダードで、マルチパーパスなボディタイプに成長したSUVボディに、現代のクルマに求められる高い安全性能と環境性能に加え、マツダがこだわるどんな道でも心昂る走行性能を有し、さらにその骨格をマツダのデザインとクラフトマンシップの上質さで包み込んだ商品だ」というCX-60だが、その中でも特にこだわったのは「マツダブランドの醍醐味である“走る歓び”」。

和田氏は、マツダが目指す走る歓びは、クルマ好きのためだけの価値ではないという。「その中核にある価値は自分で運転する愉しさだ。自分の力でクルマを運転して意のままに操ることで得られる達成感。それが人の心と体を元気にして、挑戦したり自分の道を進んでいくことへの支えとなり、その人生を輝かせていくことにつながっていく」とその意気込みを語る。

その運転する愉しさを「エンターテインメントといえるレベルまで高める」ことがコンセプトだった。「(CX-60を運転しているときは)自由で、自分らしく、元気になって、ストレスの多い日々の中で忘れがちな情熱を取り戻してもらいたい。そんな思いを込めてこのCX-60を企画、開発した。何かと制約が多く息苦しい時代ではあるが、こんな時代だからこそ、1人でも多くの方にCX-60を運転して元気になってもらいたい」とその思いを語る。

人の気持ちに響く「音とリズム」

マツダ CX-60の3.3リットル直列6気筒ディーゼルエンジンマツダ CX-60の3.3リットル直列6気筒ディーゼルエンジン

これまでもマツダは、心理学者を社員として迎え入れるなど、車両開発と心理的要素の研究を行っている。CX-60の開発テーマにも「人の気持ちに響くクルマ作り」があった。そのなかで特にこだわったのは3つ。ひとつは「音とリズム」。次いで「加速」、最後は「デザイン」であるという。

その音とリズムについて和田氏は、「エンジンサウンドとリズムにこだわりを持って実現した」とのこと。6気筒ディーゼルでは特に、「滑らかで力強いサウンドが体感できる」と話す。「重層的に湧き上がる力強いサウンドを作り上げるために、ディーゼルが持ってる音の中でも単にノイズを落として、綺麗な音にするだけでなく、あえて音と音とをぶつけ合うことによって力強いうねりを作り、重層的なサウンドを作り上げた」と説明。同時に新開発のトルクコンバーターレス8速ATの採用により、「従来のクルマとは一線を画す、切れのある変速リズムを実現している」と語る。

この取り組みは6気筒ディーゼルだけでなく、4気筒ガソリンエンジンと組み合わせたPHEVも同様だ。切れのある変速リズムを実現しながら、ガソリンエンジンの伸びやかな音に注力。「静かなモーター走行はもちろん、ドライバーが加速したいという意図を持ってアクセルを踏む、もしくはスポーツモードに入れた時にはその意図とシンクロする音を届けている。そのことによってモーターとエンジンによるコラボレーションによるドラマチックな疾走感を作り上げた」。

和田氏はこれらについて、「まるで楽器を奏でるように、エンジンサウンドとリズムを楽しむことで、楽しく元気になり、凝り固まった心を開放することを目指した」とその思いを述べた。

内製トランスミッションであるメリット

マツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツマツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツ

前述のトルクコンバーターレス8速ATは、流体式のトルクコンパーターの代わりに、マニュアルトランスのように機械式クラッチ機構を採用。その結果、「よりダイレクトな発進感、そして高い応答性と滑らかな変速性能、抵抗低減による応答性を実現」したものだ。

応答性では、「アクセルを踏み込んだ時の加速の立ち上がり時において、オイルを介してトルクを伝達していたトルクコンバーターに対して、よりダイレクトで素早い動きをする応答性能を実現。またクラッチを介することによって非常に切れの良い、リズミカルな変速も実現している。これによって、サウンドとリズムを実現することが出来た」とのこと。

さらに内製であることからパッケージングにも有利に働いた。マツダはドライビングポジションにもこだわっており、「体のねじりが少ない、無理のない運転姿勢を、右ハンドルでも左ハンドルでもしっかりと活かせるように、トランスミッションの筐体自体を非常にスリムにコンパクト化し、さらにトランスミッションの一部を窪ませることによって、足をまっすぐに通せるポジションを実現。そういったコンパクトさにもこだわったトランスミッションだ」と説明した。

マツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツマツダ CX-60 XD ハイブリッド プレミアムスポーツ

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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