「まさかやー」トヨタ初の元女性役員が復帰…7年前に辞任[新聞ウォッチ]

北米トヨタ本社
北米トヨタ本社全 4 枚

「まさかやー」。放映中のNHKの連続テレビ小説『ちむどんどん』の主人公がドラマでひんぱんに使っている沖縄の方言だそうだが、聞いた話が信じられないでびっくりするときに飛び出す言葉らしい。そんな方言でも使いたくなるようなトヨタ自動車の元女性役員の“復帰人事”を、きょうの日経が報じている。

それによると、麻薬取締法違反(輸入)の容疑で警視庁に逮捕され、2015年にトヨタの常務役員を辞任したジュリー・ハンプ氏が、6月20日付で再びトヨタに返り咲いたという。6月20日付で北米トヨタの「シニアメディアアドバイザー」に就任し、グローバルでの広報業務を支える役割を担うそうだ。

ハンプ氏は米ゼネラルモーターズなどで広報を担当し、2012年にトヨタの米国法人に入社。豊田章男社長の肝入りで、15年4月にはトヨタで初の女性役員に起用されるなどして脚光を浴びていたが、その矢先に、わずか2か月後の6月には、麻薬成分を含む錠剤を輸入した疑いで警視庁に突然逮捕されて、大騒ぎとなった。

逮捕の翌日には豊田社長が異例の記者会見を開き、「(ジュリー・ハンプ氏は)私にとってもトヨタにとっても、かけがえのない大切な仲間。今の私どもにできることは、仲間を信じて当局の捜査に全面的に協力すること」と述べながら「捜査を通じて法を犯す意図がなかったということが明らかにされることを信じている」などと語っていた。ただ、ハンプ氏から辞任の届け出があり、トヨタも世間を騒がせたことなどを勘案し、辞任届を受け入れたという経緯がある。

その後、東京地検ではハンプ氏が「膝の痛みを和らげるためだった」などと供述し、役員を辞任したことも考慮するなどして起訴猶予処分とした。あれから7年、豊田社長にとってもがかけがえのないハンプ氏がトヨタの重要ポストに再び返り咲くことができたのは、13年にわたる“長期政権”を維持しながら、すべての人事権を掌握しているから成し遂げられた“温情”とみられる。

2022年6月24日付

●トヨタ社長報酬1.5倍、6億8500万円、最高益更新を反映(読売・10面)

●マクラーレンに日産が供給契約、EVの駆動装置(読売・10面)

●鉄道カメラ3大都市圏で、国交省新省令で義務化へ(読売・30面)

トヨタ、EV2車種をリコール(朝日・8面)

●米、ガソリン高に焦り、課税停止要求、議会、効果疑問視も(毎日・6面)

●日野データ不正を陳謝、株主総会厳しい質問相次ぐ(産経・11面)

●BMW、中国でEV反攻、瀋陽に新工場、高級車市場で専業勢に対抗、年産能力最大40万台(日経・12面)

●トヨタ、値下げ要請、部品各社に7~9月分(日経・15面)

●辞任の元役員が復帰、薬物輸入疑いで執行猶予、トヨタ(日経・15面)

再生燃料評価団体、ホンダが加盟、ビジネスジェットに活用(日経・15面)

トヨタ紡織系で不正アクセス(日経・15面)

●日本電産「次は産業用ロボ」3期連続赤字のOKK再建へ(日経・17面)

●シャープ、英語を公用語、来年から、欧米事業拡大(日経・17面)

《福田俊之》

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