パーツ選択の自由度で楽しみが増えるGR86&BRZワンメイクレース

トヨタGAZOOレーシング GR86&BRZワンメイクレース プロフェッショナルシリーズの様子
トヨタGAZOOレーシング GR86&BRZワンメイクレース プロフェッショナルシリーズの様子全 35 枚

トヨタ『GR 86』とスバル『BRZ』を使用したワンメイクレースの2022シリーズがいよいよ開幕する。プロフェッショナルシリーズは今年からパーツ変更の自由度が高まる。そのことによりドライバーやチーム戦略など楽しみ方が増えそうだ。

GR86&BRZレース2022が富士スピードウェイで16日予選、17日決勝でシーズンが開幕する。プロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2シリーズで全5戦で戦われる。

クラブマンシリーズはより多くの人が参戦できるようにするために、今までマルチメイクで争われていたタイヤが今シーズンからダンロップタイヤのワンメイクとなる。基本的に純正車両で戦うのでよりイコールコンディションになった。

一方のプロフェッショナルシリーズでは、指定および認定パーツに選ばれたマフラー、サスペンション、各種ブッシュ、エンジンオイルクーラー、デフオイルクーラー、ブレーキパッド、ブレーキキャリパー、ローターなど広い分野において変更が可能になった。

シリーズを統括するT.R.A.事務局(トヨタカーズ・レース・アソシエイション)の指定パーツは交換しなくてはならないが、認定パーツであれば交換をするしないは各チームの判断に委ねられる。

パーツはどのメーカーでも交換できるのではなく、アフターパーツメーカーの業界団体であるNAPAC(ニッポン・オートパーツ・アフターマーケット・コミッティー)に加盟しているメーカーのパーツでT.R.A.認定を受けているものに限られる。

NAPACでは業界独自の品質基準を設け、より安全で、より高品質のパーツを供給している。NAPAC関係者も「協会のメーカー同士の切磋琢磨もありますし、そのパーツを使っているチームが勝つことでメーカーの認知度も上がるし技術力向上にも繋がります。もちろん公道を走れるナンバー付き車両でのレースなので、一般公道を走れる車検の基準もクリアしています」と安全と信頼について語る。

T.R.A.事務局としても「GR 86もBRZも、元々の車両が良く出来ていて楽しいクルマですが、アフターパーツを組み込んで楽しく走れるようになるのも必要だと思っています。レースとしてはどんどんパーツが進化はしていくのは良いと思いますが、行きすぎないようにコントロールしていく必要もあると思っています。パーツメーカーとも話し合いをしながら、レギュレーションはもちろんですが、コスト面に関しても随時検討していく必要があると思っています」と語る。

トヨタGAZOOレーシングとしては「モータースポーツを起点にした良い車作り。を掲げていますので、自動車メーカー、パーツメーカー、ユーザーみんなで盛り上がっていければ良いと思っています」とも語る。

参戦するドライバーによると、「パーツが交換できることによって、セッティングの幅が広がりやれることが増えた。その中でどのようなセッティングを見つけるのかが勝負になっていくと思う」と語る。

重量物のマフラーも軽量化として片側1本出しマフラーをチョイスするドライバーが多い中、純正マフラーで走るドライバーもいれば、純正と同じように2本出しのマフラーで挑むドライバーもいるなど、開幕戦らしくさまざまなトライを行っているのが見られる。

複数台の車両を走らせているチームは、一方ではこのパーツ、もう一方ではこのパーツをチョイスといったようなテストをしているチームもいる。その分コストもかかってくるので、どこまで行うかはチーム次第だが、ドライバーとの相性などもありパーツチョイスに幅が広がるのは見ているファンとしても楽しみが増えるはずだ。

また販売面としても、T.R.A.指定・認定パーツは一般に市販されていることが規定となっており、全てのパーツは一般でも買える。パーツメーカーにとってもユーザーに向けてのアピールになるほか、あのドライバーが使っているパーツ、あのチームが使っているパーツなら信頼できるだろうということにも繋がる。

GR86&BRZレースでは多くのディーラーチームが参戦していることもあり、ディーラーメカニックのアフターパーツへの認知度や、お客さんに対してのパーツ選びのアドバイスにもなる他に、アフターパーツに交換することでの技術向上にも繋がることにも期待されている。

決勝はわずか10周という短いレースだが、さまざまな思いが交錯する決勝レースは17日にクラブマンが10時05分から、プロフェッショナルは12時30分から行われる。


《雪岡直樹》

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