【メルセデスベンツ EQB】日本のEV市場に可能性---普及は使命

メルセデスベンツ EQB
メルセデスベンツ EQB全 13 枚

メルセデス・ベンツ日本はEQシリーズ第3弾、『EQB』を発表。スクエアなSUVスタイルと電気自動車としては珍しい3列シートが特徴である。

◆EQシリーズも堅調に推移

メルセデスベンツの電気自動車ブランドEQは、2019年にメルセデス初のオールマイティな電気自動車『EQC』を皮切りに、2021年に都市型SUVの電気自動車『EQA』を発表。「ここから数多くのお客様がEVライフをスタートしている」と話すのは、メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏だ。

メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏

販売に関しても、「2021年で対前年比4倍を記録。2022年上半期も堅調に推移している」と好調であることを強調。「多くのお客様に初めての電気自動車として選ばれている」と話す。そのうえで、「メルセデスベンツは、日本の電気自動車市場にまだまだ多くの可能性を感じている」とし、EQBに続き、「年内にはメルスベスベンツ初の電気自動車専用プラットフォームを採用したフラックシップモデルの『EQS』と『EQE』を発表する予定」と明言した。さらに、メルセデスベンツとして世界初となるEV専売拠点も日本にオープンするという。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

ここまで力を入れる理由として、「電気自動車こそ最適な選択だと感じてもらえる圧倒的な魅力のある製品をお届けすることこそが、世界で初めて自動車を作った我々の使命だと考えるからだ」とコメントした。

◆GLKをベースとしながらEQ化

さて、EQBの最大の特徴は、「スクエアなSUVらしいスタイリングと電気自動車では珍しい最大7名まで乗車が可能な広い住空間を備えていること。そしてベースとなるGLB同様、多彩なシートアレンジが可能なので、色々な用途に合わせた使い方ができること」と紹介するのは、同社営業企画部長の上野麻美氏だ。

メルセデス・ベンツ日本営業企画部長の上野麻美氏メルセデス・ベンツ日本営業企画部長の上野麻美氏

まずデザインは、「前後のオーバーハングを短くし、タイヤをボディの四隅に配置することで居住空間を最大限確保したとても機能的なパッケージングを大切にしながらも、筋肉質でエモーショナルな洗練されたプロポーション」と説明し、これはGLKと同様だ。

しかし細部のデザインにおいてはEQモデルの特徴を踏襲。まず、フロントグリル部分には「ブラックパネルを採用し、水平に伸びる光ファイバーの帯が、フルLEDのヘッドライトに繋がるような形のデザインで、これはメルセデスEQ特有のデザインだ」という。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

そしてリアのコンビネーションランプは、「LEDリアコンビネーションランプはライトストリップと途切れることなく一体化されており、リアエンドの幅を強調するデザインだ」と述べる。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

ほぼ同サイズのEQAとの違いがリアのプロポーションだ。「EQAはルーフからテールエンドにかけてスタイリッシュに丸みを帯びたデザインであるのに対し、EQBはスクエアなデザインで、力強くいわゆる典型的なSUVスタイルだ」と上野部長。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

またEQBの特徴である乗車人数に関しても、「スクエアで車高が高く2830mmという長いホイールベースを生かし最大7名の乗車が可能だが、4から5名でのドライブであれば、3列目シートを畳んで、ラゲッジルームとして活用。さらに2列目のシートを最後端までスライドすることで広く快適なレッグスペースを提供することもできる」とした。最大4つまでチャイルドセーフティシートを装着することができることも大きなポイントである。

メルセデスベンツ EQBメルセデスベンツ EQB

EQBにおいても、メルセデスベンツの基本的な価値である安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質などは高いレベルを満たしており、特に、「騒音、振動、ハーシュネスを徹底的に見直すことで、電気自動車ならではの静粛性も備えている」とのこと。メルセデスペンツユーザーエクスベリエンス、MBUXも搭載。電気自動車ならではの機能として、「充電ステーションを探してといった会話にも対応している」という。

◆安心してEQに乗ってもらうために

EQBに搭載される利一有無イオンバッテリーは66.5kWhで車体の中央下部に配置。EQB250ではフロントに新設計の永久磁石同期モーターを搭載することで、最高出力は190ps、最大登録は385Nmを発生。充電1回での走行可能距離は、「現在日本で発表しているEQモデルでは最長となる520kmを実現」。EQB350 4マティックは、フロントとリアにモーターを一基ずつ搭載し、最高記録は292ps、最大トルクは520Nmを実現し、「前後のパワーバランスを毎秒100回の頻度で高度に調整することで効率的な走行ができるように設計されている」と上野部長。350 4マティックの充電1回での走行可能距離は468kmである。両モデルとも100kWhまでの急速充電が可能で、CHAdeMOに対応している。

いくつかの安全・安心プログラムをメルセデスは用意しているが、その中でも電気自動車ならではのものとして、バッテリー保証を含む長期の車両保証、EQケア、全国約2万基の提携充電器の利用が1年間無料なメルセデスミーチャージがある。

特にEQケアでは、「リチウムイオンバッテリーのバッテリーの残容量が70パーセントに満たないと診断された場合にはバッテリー保証が適用される」。

上野部長は最後に、「日常のお出かけからレジャーなどの遠出まで、あらゆるライフシーンで、電気自動車であることを言い訳にせずに乗ることができるクルマに仕上がっている。家族や友人との大切な時間を快適に安全に楽しく過ごしてもらえるのがEQBだ」と語った。



《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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