日野、国内出荷停止中の大型トラックの生産再開---出荷時期は依然見通せず

日野 プロフィア(参考画像)
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日野自動車の久田一郎取締役・専務役員は7月28日にオンラインによる決算説明会で、エンジン認証に関わる不正で3月から国内向け出荷を停止している大型トラックの生産を一部再開したことを明らかにした。

久田取締役は「当局との関係で(型式指定の再申請手続きに)進捗があったからとか、環境が整ったからということではない。これから再申請が行われ、再認可を頂くのが何時になるかはわからない。が、認可を頂けた時に、そこから生産をするということで動きをかけても、仕入先の材料手配等含めて大変長いリードタイムがかかる。お待ち頂いているお客様に対して少しでも短いリードタイムで車をお届けできないかと考えて、出荷はしないが、生産だけを少量ということで再開した。あくまでも待って頂いているお客様に短いリードタイムで商品をお届けする目的」と述べた。

さらに「合わせて大型トラックの生産が止まったために、大変ご苦労をおかけし続けている仕入先がたくさんいる。例えば仕入れ先の雇用の問題とかに波及するインパクトを少しでも緩和できないかということも含めて、これら2つの理由から生産だけを再開した」とも指摘。

その上で「決してそのことによって再認可の進捗があったということではなく、我々のできる範囲でステークホルダーの方へのご迷惑を少しでも小さくできないか、という思い」と重ねて強調した。

一方、日野が同日発表した2023年3月期第1四半期決算の売上高は、出荷停止の影響で国内販売は落ち込んだものの、ASEANや米国など海外市場が好調だったことから、前年同期比3.6%増の3558億円となった。

久田取締役は「海外の市場はASEANを中心に回復基調にあり、欧州を除く全地域で前年比増加となった。インドネシア、タイについては19年度第1四半期を上回り、コロナ禍前の水準に回復してきたという状況」と説明した。

一方、本業の儲けを示す営業利益は、利益率の高い国内販売の減少に加えて部品供給不足の影響もあり、前年同期比73.3%減の43億円と大幅な減益となった。

また通期見通しについて久田取締役は「不正行為の対象になった車種の出荷再開の時期を見通すことができないため引き続き現時点での公表を差し控える。出荷再開の時期が決定し、見通しの算定が可能となった時点で速やかに開示する」と話していた。

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《小松哲也》

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