小田急、西武、神戸電鉄もバリアフリー転嫁…小田急は子供用IC運賃に加算せず 2023年春予定

小田急のホームドア。写真は2021年度に導入された登戸駅のもの。
小田急のホームドア。写真は2021年度に導入された登戸駅のもの。全 7 枚

小田急電鉄(小田急)、西武鉄道(西武)、神戸電鉄は8月4日、「鉄道駅バリアフリー制度」を活用した運賃転嫁を国土交通省に届け出たと発表した。小田急と西武は2023年3月頃、神戸電鉄は同年4月1日に実施する予定。

小田急では2016年度から新宿駅(東京都新宿区)など1日あたり10万人以上の利用者がある8駅で優先的にホームドアの整備を行なっており、小田原線代々木八幡~梅ヶ丘間の各駅と登戸駅(川崎市多摩区)で整備を完了。2022年度には特急にも対応したホームドアを本厚木駅(神奈川県厚木市)に整備する計画。

小田急のバリアフリー整備計画。小田急のバリアフリー整備計画。

さらに2032年度までには新宿~本厚木間全駅と江ノ島線中央林間・大和・藤沢の各駅を含む37駅107番線にホームドアを整備。車両とホームとの段差・隙間の縮小対策やエスカレーター、エレベーター、誘導案内などの設備更新と並行して、整備のペースを2021年度までの3.7番線/年から年7.7番線/年に加速したいとしている。

小田急のホームドア整備状況と今後の計画。小田急のホームドア整備状況と今後の計画。

西武でも小田急同様、1日あたり10万人以上の利用者がある6駅(池袋・練馬・西武新宿・高田馬場・所沢・国分寺)22番線に対してホームドアを整備してきたが、今後は10万人未満の駅も対象とし、2025年度までに6駅17番線、2026~2030年度に19駅45番線を整備するとしている。

西武鉄道所沢駅のホームドア。西武鉄道所沢駅のホームドア。

バリアフリー設備については列車運行情報案内を既存駅の増設を含めて2023~2030年度末に60駅に整備し、スロープによる段差解消や内方線付き点状ブロック、視覚障害者用設備の整備、ホームと列車との段差解消、車両へのフリースペース整備も進めるとしている。

西武のバリアフリー整備計画。西武のバリアフリー整備計画。

総整備費は小田急が2033年度までに約627億円、西武が2030年度までに約550億円を見込んでおり、転嫁については、小田急、西武ともに現行の普通運賃に10円を加算。通勤用定期運賃については、1か月用に600円、3か月用に1710円、6か月用に3240円を加算するとしており、通学用には加算しない。また、小田急は子供用のIC運賃にも加算しない。

神戸電鉄ではホームドアの整備は行なわれず、バリアフリー整備のみが進められる。

2021年度末時点の神戸電鉄46駅のバリアフリー整備状況。2021年度末時点の神戸電鉄46駅のバリアフリー整備状況。

総整備費は2030年度まで約20億円を見込んでおり、転嫁は2023~2030年度に神戸高速線を除く全線を対象に実施し、2031年以降も継続する予定としている。

転嫁額は8月3日に届け出ている阪急電鉄(阪急)と阪神電気鉄道(阪神)と同一で、普通運賃が10円、通勤定期運賃では1か月用が380円、3か月用が1080円または1090円、6か月用が2050円または2060円となる。通学用には加算しない。


《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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