飛べ! ジェットエンジンをベースに航空機の近代史を語る

メッサーシュミット Me 262
メッサーシュミット Me 262全 6 枚

『ジェットエンジン史の徹底研究』
基本構造と技術変遷
著者:元IHIジェットエンジン開発責任者 石澤和彦
発行:グランプリ出版
定価:3080円
ISBN978-4-87687-396-8

軍用のみならず民間航空機で活躍して進化を続けるジェットエンジンの変遷について、開発当事者ならではの視点で、その足跡を詳細に解説した1冊。

1939年にドイツで初飛行、その後各国で開発が進められたジェットエンジンは、戦後に急速な発展を遂げ、航空機の主要な動力源となっている。

本書ではまず、航空機エンジンの種類と作動原理を解説することで基礎知識を押さえ、そこからジェットエンジンの特徴や作動原理が述べられているので、非常にわかりやすい構成だ。また、ジェットエンジンの歴史やその発展、また特徴的なジェットエンジン搭載の航空機を例に開発時のエピソードやその特徴など細かく記されている。そして、将来の動向として低燃費化とともにエンジン搭載位置やNASAの研究などにも触れられている。

このように国産ジェットエンジン開発者として、様々な技術革新に挑んだ著者が、技術的進化の過程を、豊富な写真や図版を駆使して、詳細に解説しているので、技術的興味だけでなく、ジェットエンジンを俯瞰して知りたい、あるいは飛行機そのものに興味がある読者にもお勧めの1冊といえる。

『ジェットエンジン史の徹底研究』『ジェットエンジン史の徹底研究』


《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る