【トヨタ シエンタ 新型】異例のイベント、ドッグパークと同時発表!

トヨタ シエンタ Z(ガソリン・7人乗り)(ダークグレー×スカーレットメタリック)<オプション装着車>
トヨタ シエンタ Z(ガソリン・7人乗り)(ダークグレー×スカーレットメタリック)<オプション装着車>全 11 枚

トヨタ自動車は23日、「ららぽーと豊洲」(東京都江東区)の中庭シーサイドデッキに8月29日までの期間限定で「シエンタドッグパーク」を開設すると発表し、オープニングイベントを開催した。イベントの中で新型『シエンタ』のお披露目・車両説明が同時に行われた。

通常、新型車の発表は、車両のベールアウトや開発責任者などによる商品説明と質疑応答という、いわゆる記者会見式に行われる。その中で派手な演出のアンベールショー、タレントや識者が呼ばれたトークセッション、商品紹介を行うことはあるが、記者会見スタイルであることは変わりない。新型シエンタの発表が、屋外で、消費者向けアトラクションの開設と同時に行われたのは異例といっていいかもしれない。

アップルやマイクロソフトなどIT業界では、もう何年も前から、プレスカンファレンスではなく年に1、2回の開発者イベント、消費者イベントで新製品や新技術を発表するスタイルが定着している。海外メーカーの一部は、メディア向けプレスカンファレンス方式から直接消費者やYoutuberなどインフルエンサーを呼ぶ方式を導入しつつある。今回のシエンタの発表会もそれに近い形で、今後の新型車発表のスタイルに影響を与えるかもしれない。

ちなみにシエンタドッグパークは、愛犬家が気軽に楽しめるイベントスペースだ。ドッグランで犬を遊ばせたり、プロの写真家に愛犬の写真を撮ってもらったり、グッズなどの展示・体験ができる。新型シエンタの展示も行い、そのユーティリティをアウトドアや愛犬との旅行に役立ててもらおうという提案だ。

新型シエンタにどんなユーティリティやオプションがあるのか。主だったものを紹介する。

新型の特徴は新しいプラットフォーム(TNGA-B)を生かした広い居住空間と荷室空間だ。シートアレンジの多様性も変わっていない。プラットフォーム刷新にともない、安全装備もトヨタセーフティセンス3が標準搭載となる。『ノア&ボクシー』で採用された「トヨタチームメイト」(安全運転支援技術)の「アドバンストパーク」(駐車支援システム)もサポートされた最新のものとなる。

そのほか、OTAアップデート、ディスプレイオーディオ、またはトヨタコネクテッドナビ・車内Wi-Fiなどにも対応する。トヨタ車は新しいTNGA以降、テレマティクスシステムやECUも次世代型となり、CASE車両としての基本機能が備わっている。将来的にOTAサービスがフルに解禁されれば、車種クラスやグレードにかかわらず、新しいほど最新の状態であり、古くても最新の状態にアップデート可能になることを意味する。

うれしい装備は両側スライドドアが電動式であり、フロア下のセンサーに足をかざすだけで開けることができる(グレードでオプション)。ドアノブのボタンでも電動開閉可能だが、足での開閉は慣れるとボタンタッチで開けるのもおっくうになる。

前席と後席(7人乗りの場合2列目シート)の間は旧型より80mmも広がり、スライドドアによる開口とともに乗り降り、荷物の出し入れが楽になっている。前席との間が広がるため、子供の世話や着替えなども後席に座ったまま前の空間で可能だ。荷室側のゲートも開口部が広がっている。全高が旧型より20mm高くなっている。さらにルーフのリブ構造と補強材、構造用接着剤の採用によりスライドドアの開口部や頭の斜め上のヘッドクリアランスが広がっている。ルーフの縁が薄くなっている形だが、もちろん必要な強度・剛性は確保されている。構造用接着剤はボディ各部にも利用され、不快な振動を抑える役目も担う。

おかげで荷室には、シートを倒せば通勤・通学用自転車(27インチ)を積むことが可能だ。急な雨で塾や学校に子供を迎えに行くことを想定しているという。

新型シエンタは、外観こそ愛らしい丸みを帯びたラウンド貴重のボックスカーだが、インテリアやシートアレンジ、居住空間には使いやすさがあふれている。ライバルはホンダ『フリード』、ルノー『カングー』あたりだろうか。ノア&ボクシー、日産『セレナ』はちょっと大きい、だが、荷室やレジャー利用で妥協したくない。そしてもっと取り回しのいい車がほしい、という層にはよいのではないだろうか。


《中尾真二》

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