ケーニグセグは8月19日、米国で開催された「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」において、新型スーパーカー『CC850』(Koenigsegg CC850)を初公開した。
◆ケーニグセグの最初の量産車『CC8S』のデビュー20周年を祝うモデル

CC850は、ケーニグセグの最初の量産車『CC8S』のデビュー20周年と、創業者のクリスティアン・フォン・ケーニグセグCEOの50歳の誕生日を祝うモデルとして、世界限定50台を生産する予定だ。
CC8Sは2002年に発売された。同車のミッドシップには、フォードモーター製の4.7リットルV型8気筒ガソリンエンジンをベースに、スーパーチャージャーを追加したエンジンを搭載していた。最大出力は655ps、最大トルク76.5kg・mを引き出した。トランスミッションは6速MT。0~100km/h加速は3.5秒、最高速は390km/hの性能を可能にしていた。8台のみが生産されている。
CC850のコンセプトは、これまでのケーニグセグ車の中で最もピュアで、最も楽しいドライビング体験を実現すること。エクステリアは、北欧のケーニグセグらしいデザイン、電話のダイヤルを連想させるホイール、3連テールライトを採用。これらは、初期のケーニグセグモデルからインスピレーションを得ているという。
◆出力重量比は1対1
インテリアは、CC8S同様、シンメトリーデザインとした。この対称性によって、左ハンドル車と右ハンドル車の設計に対応する。丸いステアリングホイールやオープンゲートのシフトレバー、アナログメーターを採用した。ケーニグセグ車らしく、CC850には、取り外し可能なハードトップ、シンクロヘリックスのドアシステム、オートスキン機能を備えている。
CC850のデザインには、CC8Sのモチーフを取り入れている。外観は CC8Sにインスピレーションを得ているが、CC850のドライブトレイン、エンジン、機能は最新のものだ。CC850のパワートレインは、自社設計の5.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジン。最大出力は1185hpで、E85燃料使用時には、1385hpを発生する。最大トルクは141.2kgmを引き出す。『ジェスコ』同様、このV8 はフライホイールを備えていないため、レスポンスに優れ、高速で回転するという。
2014年に発表された『ONE:1』 と同様、CC850 も1対1の出力重量比を達成している。1385hpのパワーと1385kgの重量を実現した。
◆世界初のトランスミッション

CC850には、世界初の「エンゲージ・シフト・システム (ESS)」を搭載する。ESS は、走行モードに応じて異なるギア比を可能にしており、公道とサーキットの両方で優れたパフォーマンスを実現しているという。
ケーニグセグの「ライト・スピード・トランスミッション (LST)」をベースにした ESS は、クラッチペダルと組み合わせられたマルチレシオの9速トランスミッションだ。高速かつスムーズなシフトを可能にした、と自負する。
ESS のシフトレバーは、ゲート付き。スイスのクロノグラフを彷彿とさせるデザインを狙って、細心の注意を払って作られているという。オリジナルのCC8S同様に、スウェーデンの国旗がシフトレバーにあしらわれている。