火星からの注文?! マセラティ グレカーレ、世界で1台のカスタムを日本公開

マセラティ・グレカーレ・ミッションフロムマース
マセラティ・グレカーレ・ミッションフロムマース全 15 枚

マセラティジャパンはカスタマープログラムのフォーリセリエに力を入れることを発表。同時に世界で1台となるマセラティグレカーレ・ミッションフロムマース』を一部メディアに公開した。

マセラティ・グレカーレ・ミッションフロムマースマセラティ・グレカーレ・ミッションフロムマース

◆フォーリセリエを積極展開

現在多くのラグジュアリーブランドはカスタマープログラムを展開しているが、マセラティもお客様の好みや個性を表現する手段として独自のカスタマープログラム、“フォーリセリエ”を提供しており、「日本でも今後さらにこのプログラムを強化していきたい」と語るのはマセラティアジアパシフィック統括責任者兼マセラティジャパン代表取締役社長の木村隆之氏だ。

マセラティアジアパシフィック統括責任者兼マセラティジャパン代表取締役社長の木村隆之氏マセラティアジアパシフィック統括責任者兼マセラティジャパン代表取締役社長の木村隆之氏

強化する背景として木村氏は、最新のベイン&カンパニーの調査のデータをもとに、「ラクジュアリー市場はコロナ禍で縮小したものの再び回復傾向にある」と現状を述べる。コロナ禍前のラクジュアリーマーケットのトレンドは、「体験型ビジネスだったが、(コロナ禍の影響で)行動規制が続き、再びものの消費やものを通じて特別な体験ができる製品にシフトしている」と説明。また、そのマーケットの規模は、「中国を含めたアジアがトップであり、その動向が注目されている」と述べ、この日本においてもフォーリセリエを展開する大きな意味があると示唆。

また、これまでは、「高級ブランドを保有することはステータスであり、所有することで憧れを達成するという位置付け」だったところから、現在では、「高価な製品ほど、それを通じて得られる体験や感情が重要。個々の所有者の個性や興味を表現する手段となっている」とコメント。そこから、「従来重要であったのは他者からの評価。いま重要なのは自身の満足といえるだろう。製品が自身の感性や感情の表現方法になってきている」と現状を分析した。

もうひとつ木村氏は定量的なデータをもとに現状を説明する。コロナ前だが2019年のデロイドの消費者レビューレポートで、1500サンプルの調査結果だ。「36%がパーソナライズ商品に非常に興味があるとし、そのうちの5人に1人は20%のプレミアム価格を支払ってもよいと回答している。また42%の人が、ブランドが提供する選択肢から選びたいと考えており。48%が、パーソナライズされた製品なら長く持つことができるという回答している」との結果から、「マセラティはカスタマイズプログラムのさらなる強化を目指す」と語った。

このフォーリセリエとは、イタリア語で“カスタマイズ”という意味だ。このフォーリセリエのミッションは、「お客様の個性や感情・感性を、(フォーリセリエという)カスタマイズを通じてご自身のクルマで表現するお手伝いをするということ」と定義づけた。

このフォーリセリエは、『MC20』などのハイパフォーマンスカーだけではなく、『レヴァンテ』や『ギブリ』を含む全てのモデルでカスタマイズのバリエーションを提供し、「マセラティをユニークにしていきたいと」述べるとともに、グレカーレに関しては、「幅広いオプションからフォーリセリエを利用して、よりパーソナルなクルマを作ることができる。グレカーレのフォーリセリエオプションは近日発表を予定している」とした。

◆テーマは火星

さて、今回日本でも公開された唯一無二のグレカーレミッションフロムマース。「火星からのミッションをコンセプトに特別な一台を制作した。このプロジェクトが進行していた2021年は、火星探査機が上陸して話題となり、火星に行くことに注目されていた」と木村氏。そこからマセラティのフォーリセリエチームは着想を得て、「火星に行くのではなく、“火星からの注文”という逆転の発想をコンセプトにし、ストーリーを持たせたこの1台を作り上げた」と説明する。

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外装色は、「酸化した岩をイメージし、マルチカラーコーティングのギャラクティックオレンジを採用」。リアピラーに配されたロゴは、「宇宙からの電波や光波を表現したグリッチノイズが入ったデザインだ」という。

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インテリアは、「天井にはドライバーのための星図をプリントしたマップが配されている。シートは宇宙飛行士のスーツをイメージしつつ、最新のファッショントレンドを取り入れたデザインだ。レザーやアルカンターラなどの素材に様々な色のステッチを採用した」と話す。

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そして、「この車両の販売予定はない」としながらも、「フォーリセリエプログラムの目指すところは、究極のカスタマイゼーションだ。マセラティヘッドオブデザインのクラウス・ブッセの言葉を借りれば、クルマは真っ白なキャンパスであり、このようにフォーリセリエプログラムではご自身の大胆なアイデアを表現することを目的としている」とし、ユーザーの嗜好を最大限取り入れたプログラムによって、日本でのマセラティの存在感を大きく向上させる見通しだ。


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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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