最高速483km/h超のロードスター、1817馬力ツインターボ搭載…『ヴェノム F5』発表

カーボン複合素材製の脱着式ルーフパネル

6.6リットルV8ツインターボをミッドシップに搭載

戦闘機とF1マシンから着想を得たカーボン製ステアリングホイール

ヘネシー・ヴェノム F5 ロードスター
ヘネシー・ヴェノム F5 ロードスター全 10 枚

米国のヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング社は8月19日、ヘネシー『ヴェノム F5ロードスター』(Hennessey Venom F5 Roadster)を、米国で開催された「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で初公開した。

◆カーボン複合素材製の脱着式ルーフパネル

同車は、世界最速のロードカーを目指して開発されたハイパーカー『ヴェノム F5』のオープン版だ。車名の「F5」とは、竜巻(トルネード)の規模を表す等級の最高ランク、F5に由来する。藤田スケールによると、F5レベルの竜巻の風速は、261~318mph(約420~512km/h)に達するという。

F5ロードスターのルーフは新設計され、カーボンファイバー複合素材から作られた脱着式パネルを採用した。ルーフは断熱仕様で、室内側は柔らかいアルカンターラ仕上げとした。この全天候型パネルは、クイックリリースボルトと高強度ラッチで固定。ハイパーカーの加速性能と空力に耐えることができるという。ルーフパネルの重量は8kgで、脱着は大人1人で行える。

ヴェノム F5 ロードスターには、強化ガラス製のエンジンビューウィンドウを装備した。リアのエンジンカバーの中央部のパネルを通して、V8 エンジンを見ることができる。ジェット機で使用するために開発された素材を用いた大型ガラスパネルは、最高速483km/h領域での空力と、540 度を超える高熱に耐えることができるという。

◆6.6リットルV8ツインターボをミッドシップに搭載

ヴェノムF5ロードスターでは、6.6リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、ミッドシップに搭載した。このV8ユニットは、鋳鉄ブロックとアルミ製シリンダーヘッドを備える。エンジンは、アルミ、チタン、インコネルなどの金属から作られた精密部品で手作りされている。これらには、クランクシャフト、ピストン、バルブ、コネクティングロッドが含まれている。

独自のインテークマニホールドの設計により、プレナムとシリンダーヘッドの間にインタークーラーが配置され、充填された空気が燃焼室に入る前に、ターボからの空気温度を下げることが可能なったという。これにより、空気密度が高まり、パワー効率が引き上げられている。

最大出力は1817hp/8000rpm、最大トルクは165kgm/5000rpmを引き出す。トランスミッションはパドルシフト付き7速シングルクラッチ。カーボンファイバー製ボディを採用するなどして、乾燥重量は1405kgに抑えられた。最高速はF5レベルの竜巻の風速にも匹敵する483km/h以上が目標。価格は300万ドル(約4億円)で、限定30台を生産する計画だ。

◆戦闘機とF1マシンから着想を得たカーボン製ステアリングホイール

カーボンセラミックブレーキ、鍛造アルミホイール、軽量のPenskeダンパーを使用して、ばね下重量を低く抑えた。パワートレインを車両の下部構造の奥深くに配置することで、重心を低く保つ。ヘネシー製のエンジンはドライサンプ方式で、クランクの高さを地面に対して低く保つことができるという。

5つのドライブモードとして、スポーツ、トラック、ドラッグ、ウェット、F5が用意された。これを切り替えることにより、車両の動力供給、トラクション、ブレーキ性能を変更できる。F5モードのみが、エンジンの最大パワーを発揮できる。

インテリアのデザインは、シンプルで無駄のないもの。戦闘機のコックピットをモチーフに設計されたこのスペースは、ドライバーの視認性を最大限に高めながら、気を散らすものを最小限に抑えるという。

バタフライドアを開くと、戦闘機の操縦桿とF1マシンのハンドルから着想を得たカーボンファイバー製ステアリングホイールが見える。グリップ部分は革で覆われ、その他の部分はカーボンファイバーとした。ステアリングホイールには、ライト、ワイパー、ウインカーのコントロールスイッチを配した。切り替え可能なモードダイヤルがあり、ドライバーはスポーツ、ウェット、ドラッグ、トラック、F5モードを切り替える。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  4. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る