簡易的な「TA」の上手な設定法を伝授![サウンドチューニング]

簡易的なタイプの「タイムアライメント」が搭載されたAV一体型ナビの一例(ケンウッド・彩速ナビ MDV-M909HDF)。
簡易的なタイプの「タイムアライメント」が搭載されたAV一体型ナビの一例(ケンウッド・彩速ナビ MDV-M909HDF)。全 3 枚

カーオーディオシステムの最終的なサウンドクオリティを上げるためには、サウンドチューニング機能を使いこなせるか否かも鍵となる。当連載では、それをユーザー自身でも実践することを推奨し、操作方法を解説している。

今回からは、簡易的なタイプの「タイムアライメント」機能の設定方法を説明していく。

最初に、簡易的なタイプの「タイムアライメント」とはどのようなものなのかを解説しよう。まず「タイムアライメント」とは、近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせてすべてのスピーカーの音が同時に耳に届くようにする機能だが、カーオーディオではツイーターとミッドウーファーとが離れた場所に取り付けられていることが多く、だとすると「タイムアライメント」は各スピーカーに対して個別にかけたくなる。しかし簡易的なタイプでは、ツイーターとミッドウーファーとを「1つのスピーカー」として扱わざるを得ない。ツイーターとミッドウーファーの個別制御は行えないのだ。

なので、ざっくりとした設定しか行えない。例えば運転席側のツイーターまでの距離が90cmでミッドウーファーまでの距離が105cmであるとき、「タイムアライメント」にて右側のスピーカーまでの距離を90cmと入力すればツイーターの音は合うがミッドウーファーが発する音はズレてしまう。逆に105cmと入力すれば、ミッドウーファーが発する音は合うがツイーターが発する音は整わない。あちらを立てればこちらが立たなくなるのだ。

とはいえ、「タイムアライメント」が設定できない場合と比べるとかなりのアドバンテージを発揮する。ないよりは断然良い。

で、問題はどう設定すれば良いかだが…。結論から入ろう。この場合はミッドウーファー優先で設定するのが正解だ。というのも、2ウェイスピーカーではミッドウーファーの方が広範囲な音域を担当する。しかも、主な楽器の「基音(音程を決定する成分)」はほとんどミッドウーファーにて再生される。なので、ミッドウーファーを主体に考えた方が上手くいきやすいのだ。

というわけなので、設定を行う際にはまず、リスニングポジションからミッドウーファーまでの距離を測定しよう。測定方法はいろいろあるが、右耳から右のミッドウーファーまでの距離と左耳から左のミッドウーファーまでの距離を測定するのがスタンダードだろうか。そしてその値を「タイムアライメント」の設定画面に入力しよう。

そうすると、それだけでも聴こえ方がガラリと変わる。

さて次回は、この先の微調整の方法を解説する。乞うご期待。

《太田祥三》

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