【シトロエン C5 X 新型試乗】心穏やかにさせてくれるスタイル、室内、そして走り…島崎七生人

シトロエン C5 X SHINE PACK
シトロエン C5 X SHINE PACK全 10 枚

車名『C5 X』の“X”は、セダン、ステーションワゴン、SUVのクロスオーバー……そんな意味に捉えてよさそうだ。『C5』自体が2015年に日本市場から消えて7年のブランクの後、新コンセプトのもと登場してきたモデルである。1、2世代の『C5』はセダンとワゴンの設定だったが、そういう訳で『C5 X』は1タイプでの登場となった。

【画像全10枚】

「このくらいがシトロエンらしい」と思える内外装

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実車は「そうそう、このくらいの、そこはなとなくミステリアスな雰囲気がシトロエンらしくていいよね」と思えるもので、かといってDSの“これでもか”といった加飾に較べ艶やかさ控えめなところは庶民でも何とかついていける……といったところか。

ロングルーフのフォルムは、シトロエン名義だった頃の『DS 5』の個性を少し思い出させる。プラットフォームは最新のEMP-2・バージョン3とのこと。装着タイヤは205/55 R19 97Vと大径で、相対的にボディはスラッとスリムに見え、樹脂のホイールアーチモールがクロスオーバー的な風情を作り出す。

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インテリアはインパネ中央に12インチタッチスクリーンを据えた現代的なもの。とはいえ始動ボタンとシフトスイッチは、決してそれ以外のスイッチに紛れてしまうことなく、自然に手が伸ばせ、迷わず操作ができるところがいい。ゴージャス方向の加飾パネルやダイヤカットのスイッチ類が奢られたDSの各車に対し、日本人の女性デザイナーが手がけたというインテリアは、和のテイストが活かされた繊細で落ち着いた風合いが味わえるところが何とも心地いい。

神経を逆撫でされるところがない走り

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走らせた印象も心地いいものだった。試乗車は133kW(180ps)/250Nmの性能を発揮する1.6リットルのガソリンターボエンジン搭載車。もう1タイプ設定されるプラグインハイブリッドとはほぼ同格の性能(最高出力は1kW違い、最高出力、最大トルクともガソリン車のほうが発生回転数が少し低い)で8速ATとの組み合わせだが、実際のところ、手練れた感のあるパワーフィールで、1520kgの豊かなボディサイズをモノともせずスムースに走らせる。おなじみのSAINT-GOBAIN製のラミネートガラスの採用もあって、加速時の耳障りなノイズもシャットアウトされ、走行中の室内は実に静かで穏やかだ。後席もゆったりとした着座姿勢が保たれている。

それと乗り心地が穏やかなのは、やはりシトロエンならではだ。試乗車はPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)と呼ぶ、今やKYB製というセカンダリーダンパーを組み込んだ仕組みのショックアブソーバーが標準だそう。これにより中間領域はソフトにしながら必要な場面では十分な減衰が得られるようにし、電制などではないコンベンショナルな仕組みながら、低速での突き上げや、煽られ感のない、自然でスムースなフラットライドが実現されているところがいい。

スタイルも室内の居心地も走りも、神経を逆撫でされるところがどこにもなく、心穏やかにいさせてくれるクルマである。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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