止まらぬ円安、1ドル=150円突破…人材も投資も「日本離れ」が加速[新聞ウォッチ]

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円相場が、東京外国為替市場でも大きな節目となる、1ドル=150円台まで一時下落した。バブル期の1990年8月以来、約32年ぶりの円安水準を更新したそうだが、年初は1ドル=115円台だったので、10か月足らずで35円も円安が進んだことになる。

もっとも、政府・日銀が、1ドル=145円をつけた9月22日には24年ぶりの円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったが、10月3日には145円を再び突破。今月中旬からは、日を追うことに1円近いペースで急落しており、為替介入後わずか1か月足らずで5円以上も下落したことになる。

きょうの各紙の1面トップ記事は、読売と産経は「トラス英首相辞意」を、東京は「国内感染『下げ止まり』、専門家『第8波の到来懸念』」だが、朝日、毎日、日経の3紙は「円安1時150円台、32年ぶり水準」と報じた。

また各紙は、総合面や経済面などにも「円安底なし」関連の記事を取り上げているが、読売は「円安流れ止まらず、輸入額増、経済へ懸念、家計負担8.6万円増、低収入ほど打撃」。毎日も「政府『介入』手詰まり」とのタイトルで、「急激な円安進行は輸入コストの増加に伴う物価上昇を招き、家計への負担もじわりと重さを増している」などと伝えている。

◆企業の中間決算発表が控える

さらに、朝日は「弱い円際立つ下落」との見出しで「『日本人離れ』人も投資も」。日経も「行きすぎた『安いニッポン』が人材や資本の日本離れを招き、国力の一段の低下につながるリスクをはらむ」などと警鐘を鳴らす。

気になるのは、円安はどこまで進むのか。市場ではさらに円安が加速するとの見方もあり、次の大きな節目は、1990年4月につけた「1ドル=160円台まで下落する可能性も排除できない」(産経)とのエコノミストのコメントも伝えている。

来週から2023年3月期第2四半期の中間決算発表が本格化するが、たとえば、トヨタ自動車は、ドルに対して1円の円安で約450億円、ホンダや日産自動車も120億~130億円の営業利益を押し上げる要因となる。

2022年10月21日付

●トラス英首相辞任へ、大型減税巡り混乱、就任1か月半(読売・1面)

●円安150円32年ぶり、日米金利差を背景(読売・1面)

●三菱電機不正新たに70件、計197件、現旧10役員処分(読売・8面)

●トルコ電気バス、日本市場を調査(読売・9面)

●岐路のサプライヤー、EVシフト加速「自前には限界」(朝日・9面)

●テスラ、売上高が過去最高(朝日・9面)

●米国内EV電池増産、補助金4200億円交付へ、レアアース「脱中国」加速(毎日・6面)

●ダイハツ7車種8万台リコール(産経・26面)

●都内感染「下げ止まり」東京でも旅行支援開始(東京・1面)

●連合、5%賃上げ要求、物価高で28年ぶり高水準、春季労使交渉(日経・3面)

●「自動運転専用タイヤ開発」ブリヂストン石橋CEO(日経・13面)

《福田俊之》

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