ロームの松本功社長は11月1日、2022年4~9月期の連結決算の会見で、半導体の需給関係について、自動車向けの半導体は需要が好調でこれからも伸びていくという見方を示した。
◆売上高、利益とも前年同期比プラス
同社の4~9月期の業績は、売上高が前年同期比16.7%増の2599億円、営業利益が同46.0%増の504億円、純利益が同69.2%増の521億円だった。「注力する自動車や産業機器関連のほか、PC周辺機器も伸長。加えて為替も寄与し、上半期として過去最高の売り上げを更新した。営業利益についても、売上拡大に加え、為替も寄与して46%の増益となり、営業利益率は3.9ポイントの19.4%になった」と松本社長は総括した。
セグメント別の業績を見ると、LSIは売上高が前年同期比17.1%増の1170億円、営業利益が同77.7%増の257億円だった。自動車関連市場向けで、ADASやインフォテイメント向けの電源ICなどでシェアが拡大し、さらに電動車の普及加速に伴い絶縁ゲートドライバーICなど高付加価値商品が順調に売り上げを伸ばしたことが大きかった。
半導体素子は売上高が前年同期比17.5%の1095億円、営業利益が同22.6%増の189億円だった。ダイオード、パワーデバイスが自動車関連市場向けを中心に好調を維持し、トランジスタについても産業機器関連市場やPC向けで健勝に推移した。また、発光ダイオードが民生機器関連市場向けで売り上げを伸ばした。そのうえ、円安効果も加わった。
◆自動車関連の海外市場向けに伸び
特に自動車関連市場向けでは、売上高が1015億円と前年同期に比べて21.9%も増加。「国内と海外のOEMメーカーを比べると、海外が大きく伸びており、そのほとんどがxEV関連だ」と松本社長。特に中国、欧州、米州向けで増えている。例えば、中国向けの売り上げ増加分61億円のうち55億円が自動車関連となっている。欧州も49億円のうち36億円という具合で、自動車向けが非常に伸びている。