北海道新幹線の札幌市内トンネル工事でトラブル…泥土などが地表へ漏出、河川へも

札樽トンネル札幌工区の現場。2022年7月。
札樽トンネル札幌工区の現場。2022年7月。全 3 枚

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は11月2日、北海道新幹線の札樽トンネル札幌工区において、泥土などが地表へ漏出し河川へ流入したことを確認したと発表した。

同工区は、札幌市の手稲区から西区を経て中央区にかけての8446mが施工範囲で、1月28日に手稲区西宮の沢地内から掘削を開始。漏出は11月2日10時15分頃、開始位置に近い札幌市手稲区西宮の沢4条4丁目付近の中の川近傍で発生した。

札樽トンネル札幌工区の位置。札樽トンネル札幌工区の位置。

札幌工区の掘削工事では泥土の圧力で掘進する「泥土圧シールド」工法が使われており、その際、掘削土の流動性を向上させるために、微生物によって分解される性質を持つ気泡材を添加しているという。

今回は、この気泡材を含む約4立方mの泥土などが漏出したと推定されており、気泡材も地表に漏れた可能性が高いとしているが、トンネル坑内に異常はなく、河川の下流へ拡散することを防ぐ措置を施し、泥土などを回収したという。

漏出個所の平面図と断面図。漏出個所の平面図と断面図。

掘進は、漏出が確認された時点で中断されていたが、「シールド前面の土砂と混合した気泡が消失し、周辺地盤を緩める可能性があるため、掘進を再開することが最善の方策である」として、11月3日に再開した。

鉄道・運輸機構ではこのトラブルを受けて、引続き地表の監視を続けるとともに「有識者のご意見も伺いながら、万全を期して安全に工事を行ってまいります」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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