【トヨタ クラウン 新型試乗】名前は「クロスオーバー」だが、これは姿を変えたセダンだ …中村孝仁

トヨタ クラウン クロスオーバー G アドバンスド
トヨタ クラウン クロスオーバー G アドバンスド全 24 枚

実は、隠れ『クラウン』ファンである。それもだいぶ前から。そのさらに前は大嫌いなクルマだったのに、歳をとるにしたがってその良さがわかってきたような気がする。

【画像全24枚】

そして16代目の現行車。初めて見た時はそれなりに驚いた。何しろ電動車の発表の時のように後ろに複数の異なるクラウンが隠れていたこともその理由だが、わかっていたとはいえクロスオーバースタイルのクラウンには行き着かなかったからである。

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でも、2トーンの何とも言い難い塗装はともかくとして、やはり質感は高いし、流石にトヨタのフラッグシップだけのことはある。発表会の会場であれこれ質問してみると、やはりこの形にした背景には購買層の平均年齢引き下げという理由が大きかったようだ。

そして試乗。最初に乗ったここで紹介する「Gアドバンスド」というグレードは、いわゆる中間グレード。ハイブリッドシステムが違う「RS」は別として、FWDベースに変貌した2.5リットルハイブリッドシステム搭載車の中でもレザーシートが付かないだけでまあやはり中間グレードである。残念ながら試乗車の価格まではわからなかったが、車両本体価格は510万円である。

本革よりもファブリックシートが良い理由

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先に話をしてしまうと、シートはファブリック地でその上級にレザーパッケージ仕様がある。アドバンスドと付くか付かないかの差はADAS系の例えばブラインドスポットモニターやらパーキングサポートなどが装備されない点や、大きな要素としてドライブレコーダーが付かないことなどで、メカニカルな違いはない。今やドラレコ(それも前後)が標準装備品となったことに驚きを禁じ得なかった。

そしてファブリックと合皮のコンビシートだが、そもそもいつから本革シートがファブリックよりも上級になったのかさっぱりわからないが、自動車の歴史を辿れば本革シートは運転手用。後席の主には本来ファブリックというのが正しい姿であったのだが、いつの間にやら逆転してしまった。

で、このファブリックシート、実はすごく良い。本革は余程高級ななめしの良いものでないと滑ってあまり好みではないが、そこへ行くとファブリックは座面の落ち着き感が格段に良い。それに冬場だって温かみがあるからそれこそシートヒーターだって要らないかもしれない。

「良ければリアシートも試してみれば?」という言葉に誘われてリアの居住性と座り心地も試してみたが、やはりリアは快適である。ただ、シートは少し落とし込まれていて、チビだと視界はあまりよくないが…。

「RS」と比べると茫洋とするが、やはりよくできたTHS

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2.5リットルエンジンとTHSの組み合わせはカムリなどで体験済みのシステムだから新鮮味はないが、一言で言ってよくできたシステムである。過不足ないスムーズさを持ち合わせていて、ドライバーの意思に即した反応を示してくれるのだが、後で乗ったRSの2.4リットルターボハイブリッド「デュアルブーストハイブリッド」と比べてしまうとレスポンスという点では茫洋としている。しかし、単体で乗る限り決して悪いレスポンスではない。

試乗車は19インチタイヤ装着車で、クルマの性格を考えても敢えて21インチは必要ないと思う。もっとも21インチに乗り換えてもその乗り味や快適さは全く損なわれていなかった。かなり狭い曲がりくねった道を走ったが、サイズ的に不安を感じたりすることはなかった。比べようはないのだがやはりDRS即ち4WSの機能はかなり効果的に働いているらしく、サイズ的にはもっと小さなクルマを動かしている印象を受ける。

今回は3人乗車での試乗。普段よりは100kg以上重い重量でのドライブだったが、性能的には必要十分なパフォーマンスである。

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折角のクロスオーバーが泣く

どうしても不満が残る点としてはクロスオーバーを名乗りながらテールゲート式でなかったこと。百歩譲ってトランクであっても良いが、何故トランクスルーを装備しなかったのか?この質問に対して「剛性確保」と決まり文句が返ってきたが、そんなにやわなボディなのかと突っ込みたくなった。(少し突っ込んだけど)

折角のクロスオーバーが泣く。正直ユーティリティーは低いと言わざるを得ない。これはクラウンとしては姿を変えたセダンなのだと思う。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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