「Gemba」は世界共通、メンテ&修理のスキルを競う…UDトラックス現場チャレンジ2022

UD現場チャレンジ2022
UD現場チャレンジ2022全 13 枚

9日、UDトラックスは2018年以降、4年ぶりとなる「UD現場チャレンジ」を開催した。UD現場チャレンジは各国のUDトラックディーラーやサービス拠点のスタッフがチームで参加し、トラックの修理・メンテナンス等のスキルを競う。

競技の様子

◆500チーム以上、2000人以上が参加

UDトラックスが海外展開している大型トラックは『クオン』と『クエスター』がある。競技はクオン部門とクエスター部門の2部門で争われる。

コロナ禍で中断があったが、参加チームは前回より増えて500チーム以上、2000人以上が参加した。競技は2回のオンライン予選の結果から得点が高い順に決勝チーム(ファイナリスト)を選ぶ。決勝は日本のUDトラックス本社(埼玉県上尾市)で行われる。2022年のUD現場チャレンジでは、6か国12チームが本社での決勝戦に臨んだ。

決勝は、実車や実際のコンポーネント(エンジンや電装品)を使ってその場で修理やメンテナンス作業を行う。課題は、整備やメカニックのスキルを問うものだけではない。サービスフロントやパーツの管理や発注、トラブルレポートの作成といったフロントライン業務全般にかかわっている。そのためチームにはメカニックやエンジニアだけでなく顧客対応や提案、レポート作成を行うスタッフも欠かせない。

◆2台目の購入はアフターによって決まる

UDトラックスが現場チャレンジを開催するのは、ひとつは従業員のモチベーションアップとグローバルでの仲間意識の醸成だ。大会議長を務めるMartin Jerresand氏は、トラック物流の信頼性とドライバーの安全、輸送効率を支えているのは「ディーラースタッフによるアフターサポートだ」という。「現場(Gemba)」という言葉はそのまま大会の名称にも使われており、従業員が働く現場が企業価値を生むと考えている。

Martin氏は「2台目の購入はアフターによって決まる」ともいう。トラックの設計、装備、機能は前提条件だが、素早い修理、適切なメンテナンスは顧客の稼働率を上げる。生産財であるトラックはむしろ購入後のサポート体制が価値を持つ。単体性能がいくらよくても「兵站」が伴わなければ機械、車両は機能を発揮しない。

サポート体制の維持には、従業員の働きが正しく評価されること。モチベーションの維持が重要だ。現場チャレンジはそのために機能しているという。

実際のスタッフのモチベーションはどうだろうか。昼食時にオーストラリアから参加したチームに話を聞いてみた。クオンについて「壊れやすい弱点みたいなところはないか?」と尋ねたところ「うちの顧客は信頼性を重視するところばかりなので壊れやすければ売れない」と、こともなげに答えてくれた。500チームの予選を勝ち抜いたファイナリストの技術力と、製品に対する信頼と自信があるからだろう。

◆難しかった課題

なお、難しかったのは、Tech Toolという診断修理ツールを使った課題だそうだ。この課題ではコンポーネント単体のトラブルではなく、それらをつなぐデータリンク部分のトラブルを修理しなければならない。単体では異常が検知できないが、コンポーネント間のリンクや通信の障害を発見、修理する必要がある。オシロスコープなど高度なツール機能を熟知する必要があるという。

12チームは、各国の予選を勝ち抜いた地域の優勝者、精鋭チームばかり。その激戦を勝ち抜いた「Best of the Best」は以下のとおりだ。

クオン部門:日本代表八戸カスタマーセンター(チーム名:Team Hachinohe)
クエスター部門:インドネシア代表(チーム名:ID Team)
(11月11日現在の暫定情報)

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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