NSX 生産終了、ハイブリッドスーパーカー6年の歴史に幕…最終版「タイプS」ラインオフ

最終モデル「タイプS」は世界限定350台

高品質の生産体制が特長の米国工場

アキュラの市販車最強の600hpハイブリッド

ホンダの米国工場からラインオフしたアキュラ NSX の最終モデル「タイプS」
ホンダの米国工場からラインオフしたアキュラ NSX の最終モデル「タイプS」全 10 枚

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは11月17日、ハイブリッドスーパーカーの現行『NSX』の生産を終了した、と発表した。最終限定車の「タイプS」がラインオフし、2016年の生産開始から約6年で、その歴史に幕を下ろした。

写真:アキュラ(ホンダ)NSX タイプS

◆最終モデル「タイプS」は世界限定350台

ホンダの米国工場からラインオフしたアキュラ NSX の最終モデル「タイプS」ホンダの米国工場からラインオフしたアキュラ NSX の最終モデル「タイプS」

『NSXタイプS』は、現行NSXの生産のファイナルイヤーを祝って、350台を限定生産する。このうち、米国市場への割り当ては300台、日本向けには、ホンダブランドから30台が限定導入される。

現行NSXは、米国オハイオ州メアリズビルの「パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター(PMC)」のみで組み立てられてきた。PMCは、NSXのグローバル生産拠点だ。熟練した技術者が持つ職人の技と、革新的な先進生産技術との調和を目指している。PMCは、NSXのようなスーパースポーツモデルの少量生産に適した生産設備を備えており、およそ100名の従業員が、各工程で先進のロボット技術と協調しながら、高いレベルの品質とクラフトマンシップを追求している。高度な生産技術を多数有しており、多くの特許を米国で申請済みだ。

例えば、PMCでは熟練した技術者が長時間かけて、パワートレイン、サスペンション、電装部品、インテリア部品、ボディパネルを手作業で組み付けていく。ビジュアル作業標準システムにより、技術者は各工程で標準化された作業を忠実に実行することができるという。

◆高品質の生産体制が特徴の米国工場

主要なボルトの取り付けは、エキスパートによる手締めから始まり、その後ワイヤレス通信が可能なデジタルトルクレンチで締め付けることにより、締付トルクを精密に管理する。車両ごとにボルト一点一点のトルク実績を記録することができ、組立工程の品質を保証する。

PMCの工場の中央には、品質検証センターがある。工場内のあらゆる場所から、ガラス張りの壁を通して検証中の車両を見ることができる。また、高い技術を持った溶接のエキスパートが、部品ひとつひとつを溶接の各ステージで目視検査するとともに、寸法計測を行い、品質や精密性を検証する。この作業は、パワートレイン、サスペンション、ボディパネルといった構成部品の正確な組み付けと、高い動的性能を確保する上で、非常に重要という。

出荷前の最終チェックでは、ラインエンドテスト、エキスパートによるホイールアライメント、ダイナモチェック、塗装検査、漏水テストなどを実施する。最後に専用の保護カバーをかけて、販売店に向けて出荷される。

◆アキュラの市販車最強の600hpハイブリッド

NSXタイプSには、高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム、「スポーツハイブリッド SH-AWD」を搭載する。フロントにモーターを2個、リアに9速デュアルクラッチトランスミッションと一体設計する形で1個、合計3個のモーターをレイアウトした。前輪の左右を独立した2つのモーターを使い、四輪の駆動力を自在に制御するトルクベクタリングを可能にする電動式4WDハイブリッドとなる。

直噴3.5リットル(3493cc)V型6気筒ガソリンツインターボエンジンに専用チューニングを施した。新開発の燃料噴射装置は、25%多いガソリン流量を可能に。新設計のインタークーラーは、冷却性能を15%引き上げた。レーシングカーのNSX GT3 Evoと共有する新しいターボチャージャーは、ピークブースト圧を15.2psiから16.1psiに5.6%高めた。その結果、エンジンの最大出力は500hpから520hpに20hp向上し、最大トルクも56.1kgmから61.3kgmに5.2kgm増加した。

ハイブリッドシステム全体で、パワーは従来比27hpプラスの600hp、トルクは2.2kgmプラスの68kgmに到達する。600hpのパワーは、これまでのアキュラの市販車で最強という。前輪に動力を供給し、コーナーでアクティブトルクベクタリングを可能にする「ツインモーターユニット(TMU)」のギア比は、8.050対1から10.382対1に下げられた。この20%低いギア比により、加速性能を引き上げている。

《森脇稔》

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