VWの新世代EV「ID.」ファミリー、世界販売50万台…発売2年で達成

電動SUV『ID.4』は2022年内に日本市場に導入予定

2026年までに10車種の新しいEVを導入する予定

EV専用の「MEB」車台のスケールメリットを追求

フォルクスワーゲン ID.4 GTX と ID.5 GTX
フォルクスワーゲン ID.4 GTX と ID.5 GTX全 10 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は11月14日、新世代EV「ID.」ファミリーの世界販売が50万台に到達した、と発表した。2020年10月に最初の『ID.3』が欧州で販売されて以来、2年での達成。当初の計画よりも1年早く、目標を達成したという。

フォルクスワーゲン ID.3フォルクスワーゲン ID.3

◆電動SUV『ID.4』は2022年内に日本市場に導入予定

フォルクスワーゲン乗用車ブランドのEVモデル攻勢は、2020年10月にヨーロッパでコンパクトEVのID.3を発売したことによって始まった。2021年3月には、欧州に続いて米国と中国でも、電動SUVの『ID.4』を発売した。さらに、中国の顧客のニーズに合わせて開発された最大7シーターの電動SUVの『ID.6』が、2021年6月から中国で販売されている。2021年末には、電動SUVクーペの『ID.5』を欧州で発売した。このID.5とID.4には、高性能版の「GTX」も用意する。なお、ID.4は2022年内に、日本市場に導入される予定だ。

フォルクスワーゲンは、車両ラインナップの電動化を順調に進めている。フォルクスワーゲンは、ゼロエミッションでソフトウェア主導のモビリティプロバイダーになるための「ACCELERATE」戦略を実行している。その中で、計画よりも1年早く、ID.ファミリーの世界販売50万台という目標を達成した。

現在、世界的に部品の供給が厳しい状況にある。ID.ファミリーのバックオーダーは、約13万5000台と高水準にある。フォルクスワーゲンは、ID.ファミリーを可能な限り早く顧客に納車するために、最善を尽くしているという。

フォルクスワーゲン ID.3フォルクスワーゲン ID.3

◆2026年までに10車種の新しいEVを導入する予定

フォルクスワーゲンは、2033年からヨーロッパでEVのみを生産する。2030年以降、EVはヨーロッパにおけるフォルクスワーゲンの販売台数の少なくとも70%を占めるようになると見込む。米国と中国では、同期間にEVのシェアを50%以上にすることを目標に掲げている。

フォルクスワーゲン ID.3フォルクスワーゲン ID.3

フォルクスワーゲンは、2026年までに10車種の新しいEVを導入する予定だ。これにより、フォルクスワーゲンは、自動車業界で最も幅広いEVラインナップを揃えることになるという。目標価格2万5000ユーロ(約365万円)未満のエントリーレベルのEVから、新しいフラッグシップの『エアロB』に至るまで、すべてのセグメントにEVを用意していく。

ID.ファミリーは、ソフトウェアの統合とデジタルによる顧客体験の点でも先駆的、と自負する。フォルクスワーゲンは、ID.ファミリーの顧客に対して、OTA(無線アップデート)を実施している。これにより、車両はライフサイクル全体にわたって最新の状態に維持され、新しい機能を利用できるように、常に更新される。また、OTAによって、顧客からのフィードバックを、直接かつ迅速に車両の機能に反映できるという。その一例として、充電容量の増加や、ドライバーディスプレイへのバッテリー容量の通知機能の追加などがある。

フォルクスワーゲン ID.3フォルクスワーゲン ID.3

◆EV専用の「MEB」車台のスケールメリットを追求

「モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)」は、ブランドのACCELERATE戦略の下で、世界的なeモビリティ 攻勢を加速させるために重要という。フォルクスワーゲンの電気駆動システム用に専用設計された車両アーキテクチャーのMEBは、長い航続と広い室内空間を可能にし、OTAソフトウェアアップデート機能を搭載することができる。MEBは、完全に電動化され、完全にネットワーク化されたすべてのID.ファミリーの技術的基盤として機能する。

フォルクスワーゲン ID.4フォルクスワーゲン ID.4

MEB はEV専用に開発されており、フォルクスワーゲングループ全体のさまざまなセグメントの車両で使用できるように設計されている。これが、スケールメリットを生み出し、e-モビリティのコストを削減し、カーボンニュートラルなモビリティへの移行を加速させているという。

また、MEB は「製造のための設計」コンセプトにより、迅速かつ高効率の生産を可能にしている。これにより、広範囲に及ぶスケールメリットが生成され、EVの価格を引き下げて、数多くの人々に、より手頃な価格で販売できるようになる、としている。

フォルクスワーゲン ID.4フォルクスワーゲン ID.4

《森脇稔》

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