【VW ID.4 発表】ライバルはアリア、モデルY、アイオニック5、ATTO3…強みはVWであること

VW ID.4
VW ID.4全 18 枚

日産『アリア』、テスラ『モデルY』が鎬を削るEV SUV市場に、ある意味「真打ち」の参入と言えるかもしれない。22日、フォルクスワーゲン ジャパンは満を持して『ID.4』の日本市場での展開を開始した。

【画像全18枚】

■ひしめく競合車種との差別化は?

発表会の内容と短時間の試乗のみでの評価となる。フィールドでの充電性能などはまだ未知数なので正確な評価はできないが、価格帯はアリアやモデルY、ヒョンデ『アイオニック5』と競合する。普及モデルの「Lite」グレードはおそらく(22日現在で正式な価格は発表されていない)BYD『ATTO3』とぶつかるのではないかと予想される。囲み取材では、発表会のプレゼンターを務めたアンドレア・カルカーニ氏(フォルクスワーゲンジャパン・ブランドディレクター)に、これら競合しそうなモデルとID.4の違いを聞いてみた。

「違いは100%フォルクスワーゲンのEV SUVであるという点です」との答えだ。国内市場で70年もの歴史と実績がある同社のブランド、サポート体制、供給体制、拠点網などが差別化ポイントだということだ。BYDやテスラの品質は年々向上している。テスラなどは、初期のフリーモント工場製より上海工場製やテキサス工場製など最新工場のモデルを指名するオーナーもいるほどだ。しかし、それらがフォルクスワーゲンのブランドロイヤリティと同じかというと、やはり違うものと言わざるを得ない。定量化できないがブランドとはそういうものだ。

言ってしまえばID.4はEVとしての突出した性能はないかもしれない。だが、おそらくどの機能も平均かそれ以上のクオリティであり、万人が満足する車に仕上がっている。カルカーニ氏も「ID.4はファミリーユーザーを意識した」という。フランクこそないが広い荷室。ゆったりしてアクセスしやすい後席。開放感あるパノラマルーフ。リアモーターのアクスル(ID.4はRRである)と「MEB」プラットフォームのなせる技だ。国内では十分と思われる航続。自宅にウォールボックスを設置できるなら、家族のQOLは上がりそうだ。

■早ければ年内に納車

日本向けのID.4はドイツのツヴィッカウ工場で製造されるという。早ければ年内にも契約者のもとへの納車が始まるそうだ。多くの国産車の納期が見えにくい中、供給体制が見えているのも海外製造の輸入車の強味だ。

先行メーカーが切り開いた市場(EV SUV)に、後発ながらトータルパッケージでそれに対抗できる車両を投入する。この戦略がとれるのは全体としてマス市場をおさえているところだけだ。世界でも、おそらくフォルクスワーゲンとトヨタくらいだろう(残念ながらトヨタはEV市場でまだその力を見せていない)。冒頭にあえて「真打ち」としたのはそういった理由からだ。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  3. 「みんなガソリン車が欲しいんだよ…」フィアットの新コンパクト『グランデパンダ』、6速MT登場に日本のファンも反応
  4. 【スズキ GSX250R 試乗】ハンドリングは「小さなハヤブサ」!? 250ccらしからぬ独自の存在感…伊丹孝裕
  5. 復活の『テスタロッサ』にスパイダー、ハードトップは14秒で開閉可能…最高速330km/h
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る