東京都の小池百合子知事は11月25日に開かれた定例会見で、東京都心部と臨海地域を結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄」の事業計画案を公表した。
この地下鉄は、大規模な再開発により成長が見込まれる豊海町・勝どき・晴海といった臨海地域への基幹的な路線を構築するとして、2014年度から調査・検討が始められており、2016年4月には交通政策審議会が「国際競争力の強化に資する」として、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)の東京延伸との一体的整備を国に答申している。
さらに2021年7月の交通政策審議会では「事業化へ向けた検討の深度化を図るべき」と国に答申したことから、東京都では事業計画化に向けた「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」を設置し、有識者を交えた検討を進めてきた。
今回の会見では初めて事業化へ向けてのルートが公表され、東京を起点に有明・東京ビッグサイトへ至る約6.1kmの路線が示された(駅名はすべて仮称)。
小池知事はこの地下鉄について「今後、東京を持続可能な都市にしていく上で重要な路線」と述べており、築地のまちづくりとも連携して臨海地域の利便性向上へ向けた早期の事業化を検討していくとした。


今回は、地下鉄単独での事業化検討が表明されているが、東京都では、つくばエクスプレスとの接続や、JR東日本が計画している羽田空港アクセス線との接続も視野に入れた検討も行なうとしている。


事業費は概算で約4200~5100億円。2040年までの開業を目指すとしており、開業から30年以内の黒字化を想定している。
