【VW ID.4 新型試乗】EVになってもいつものVW車感覚で走れる…島崎七生人

ゴルフ以上にスリークで上質

電池残量を気にせず走れる

これまでのVW車と同じ感覚で乗っていられる

VW ID.4 Pro Launch Edition
VW ID.4 Pro Launch Edition全 18 枚

試乗車に乗り込み、ふと足元を見てニヤッとさせられた。A/Bペダルに、昔、家にあったカセットデッキで見慣れた“PLAY”と“PAUSE”のシンボルマークがあしらわれていたからだ。VW流の一種のジョーク? それとも本気? とにかく、そう来たかぁ……である。

【画像全18枚】

◆ゴルフ以上にスリークで上質

VW初の世界市場向け電気自動車、かつVW初のフル電動SUVの位置づけになる『ID.4』だが、実車からはいかにもEVでござい!といった気負いは感じない。スタイリングは今の『ゴルフ』以上にスリークでゴツゴツと要素をつぎ足した感がなく、しなやかな抑揚をもつフェンダーや、段差のない窓回りの仕上げなど、見ているだけで上質感が伝わってくる。

ボディサイズは全長×全幅×全高=4585×1850×1640mmと、既存の『ティグアン』に近いが、ホイールベースは2770mmと長く、相対的にフロントのショートオーバーハングも印象的。フロント、リヤの灯体もスッキリしたデザインで好ましい。

インテリアもVW車としては新しいデザイン。おおらかな曲線基調でデザイン、配色など“モード系”といってもいいほどで、長時間過ごしても心地よさが実感できる。

◆電池残量を気にせず走れる

試乗車は“Pro Launch Edition”と名付けられた上級仕様で、もう1タイプの“Lite Launch Edition”より車重は増える(1950→2140kg)。両車はバッテリー容量/モーター出力に違いがあり、試乗車のProは77.0kWh/150kW(204ps)を搭載、一方のLiteは52.0kWh/125kWh(170ps)となっている。一充電走行距離モードはProが561km、Liteが388kmだ。

実は今回、一泊だけ試乗車を借り受け慌ただしく返却してしまったため、迂闊にも全試乗距離終了時のメーターを読み取っておくことを失念してしまった。が、充電が100%のスタート時から試乗全体のおよそ半分程度の時点までは確認しており、高速道路と一般道を46kmほど走った時点でのバッテリー残量は90%、そこからの走行可能距離は431kmとの表示になっていた。

筆者自身、電費の感覚がしっかりと身についている訳ではないが、途中、意図して走行モードを切り替えるなどしながら試乗したが、もちろん電気の残量などまったく気にせずに走らせていられた。

◆これまでのVW車と同じ感覚で乗っていられる

まったく気にせず……といえば、クルマ自体もICE(内燃機関)車とまったく変わらない感覚の走りを披露してくれた。もちろん静粛性の高さ、加速時のスムースさなどEVが得意とする領域だが、とくに車内の遮音が優れEV特有のメカ音も遮断されているためか、ダイナミック性能も含め、最新の『ゴルフ』など、これまで経験してきたいつものよくできたVW車に乗っている感覚が味わえる点が特徴だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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