JR最後の事業用「オイラン車」がトキ鉄へ…動態保存車として活用

えちごトキめき鉄道へ譲渡されるオヤ31 31。
えちごトキめき鉄道へ譲渡されるオヤ31 31。全 2 枚

JR西日本は12月6日、網干総合車両所宮原支所に配置されている建築限界測定用試験車・オヤ31形31号車(オヤ31 31)を新潟県のえちごトキめき鉄道(トキ鉄)へ譲渡すると発表した。動態保存車両として活用され、譲渡時期は2023年1月以降となっている。

同車を含むオヤ31形は、新線建設や電化工事に際して列車と構造部や人が接触しないように設定されている「建築限界」と呼ばれる幅を確認する車両で、オヤの「ヤ」は事業用を示す。1953年から1961年にかけて全7両が登場し、1987年のJR発足時はJR四国を除く各社へ計5両が承継された。

車体には測定用の矢羽根が付いており、これを使って構造物との接触の有無を検知し記録するが、その姿が花魁(おいらん)に見えることから、マニアの間ではいつしか「オイラン車」と呼ばれるようになった。

JR最後のオイラン車となったオヤ31 31はもともと、1937年3月にスハ32系一般型客車の3等座席緩急車(スハフ32 224)として落成。戦後の1948年度には進駐軍専用で日用品や飲食物を販売する酒保車・販売車(オミ35 11)に、1952年1月にはさらに進駐軍の部隊料理車(オシ33 104)に改造された複雑な経歴を経て、1957年3月にオヤ31 31となっている。

もともとはスハフ32形だったオヤ31 31。写真はJR東日本ぐんま車両センター(旧高崎車両センター高崎支所)に配置されている戦前生まれのスハフ32 2357。もともとはスハフ32形だったオヤ31 31。写真はJR東日本ぐんま車両センター(旧高崎車両センター高崎支所)に配置されている戦前生まれのスハフ32 2357。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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