[低音強化・実践レクチャー]「ボックスサブウーファー」の選び方と使い方

「ボックスサブウーファー」の搭載例(ケンウッド デモカー)。
「ボックスサブウーファー」の搭載例(ケンウッド デモカー)。全 3 枚

クルマの中では、超低音を質良く鳴らすのが難しい。ゆえに超低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」が使われることが多い。当特集では、その理由から「低音強化」の実践テクニックまでを解説している。今回は「ボックスサブウーファー」にフォーカスする。

◆導入のハードルは上がるものの、音質面ではメリット有り!

最初に、「ボックスサブウーファー」とは何なのかを簡単に説明しておこう。「ボックスサブウーファー」とはサブウーファーユニットとボックスとが一体化していて、しかもそのボックスがある程度大きいもののことを言う。なので「小型・薄型のパワードサブウーファー」のようにシート下には設置できず、大抵はトランクルームに積まれることとなる。

結果、「小型・薄型のパワードサブウーファー」と比べて導入のハードルは少々上がる。しかし、音的にはアドバンテージを発揮する。より迫力のある低音を得られやすくなるのだ。なぜなら筐体の厚みがあるサブウーファーユニットが使われることとなるので、サブウーファーの振動板がしっかりストロークし空気を十分に震わせられるからだ。

ところで「単体サブウーファー」を使う場合には、ボックスはワンオフされる場合が多い。なので自分が欲しい低音を鳴らしやすいボックスを用意できる。

対して「ボックスサブウーファー」ではボックスは完成されているので、自分で鳴り方をコントロールできる範囲が狭まる。しかしボックス製作で失敗することはない。その点では利がある。より安心して使える。

「ボックスサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX2530)。「ボックスサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX2530)。

◆「ボックスサブウーファー」には2タイプある。音的に有利なのは…

ところで「ボックスサブウーファー」には2タイプが存在している。1つが「パワードタイプ」で、もう1つが「非パワードタイプ」だ。前者はパワーアンプも一体化されていて、後者はパワーアンプは一体化されていない。

なので後者の方が導入のハードルは高めだ。後者ではパワーアンプを別途用意しなくてはならない分コストが多めにかかり、インストールの手間も増える。しかし使う上での面白みは増大する。好みのパワーアンプを選べるからだ。

さて、このように「ボックスサブウーファー」にはタイプ違いがあるのだが、それぞれに共通するチョイスのキモを説明していこう。

まず悩みどころとなるのは、サブウーファーユニットの口径だ。ちなみにスタンダードなのは25cm口径だ。フロントスピーカーは16.5cmもしくは17cmの場合が多く、25cm口径であるとそれとのサイズ的なバランスが良好だからだ。

対してこれよりも大きな30cm口径のモデルは、より低域の再生レンジが広がり伸びやかで重い低音を再生しやすくなる。一方20cm口径のモデルでは、低域の再生レンジは狭まるもののタイトでキレ味の鋭い低音を鳴らしやすくなる。そしてボックスが小さくなるのでインストール性も高まる。

「ボックスサブウーファー」の一例(ロックフォード フォズゲート・P1-1x12)。「ボックスサブウーファー」の一例(ロックフォード フォズゲート・P1-1x12)。

◆ボックスタイプの違いも、要チェック!

なお、ボックスのタイプ違いも存在している。主には2タイプある。1つは「シールドボックス」でもう1つは「バスレフボックス」だ。で、タイトな低音を鳴らしやすいのは前者で、より伸びやかな低音を鳴らしやすいのは後者だ。ただし、それぞれ設計の仕方によって鳴り方が変わるので、ボックスタイプのみを見て特徴を決めつけてしまうのは早計だ。容量やユニットの特徴も踏まえて総合的に判断しよう。そのあたりについては「カーオーディオ・プロショップ」の助言を参考にすると良いだろう。

ところで近年、「ダウンファイヤリング方式」にて取り付けられるモデルが増えている。これはつまり、振動板を下向きにするという置き方だ。ボックスに足が付いていてとボックスが少々浮くので、振動板から放たれた低音がすき間から放出される。また振動板から放出された低音は一旦フロアにぶつかってから室内に拡散するので、反射の効果により低音のパワー感が増幅される。

また「ダウンファイヤリング方式」にて設置した場合、ボックスの上に荷物を置ける。普通「ボックスサブウーファー」はトランクルームで場所を取るので積載性が落ちるが、「ダウンファイヤリング方式」ではそのデメリットが最小限で済む。そこも利点だ。

ちなみに前回の記事の中で、「小型・薄型のパワードサブウーファー」はモデルによっては「バッ直(メインバッテリーから直接電源を引き込む配線方式)」を実行しなくても良い場合があると説明したが、「ボックスサブウーファー」は「バッ直」すべきである場合が多い。パワーアンプの出力もそれなりに大きなモデルが多いので、そうであると十分な電力が必要となるからだ。

今回は以上だ。次回は「単体サブウーファー」について説明する。お楽しみに。

《太田祥三》

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