7冠F1皇帝の息子ミック・シューマッハ、2023年はメルセデスのリザーブドライバーに

2023年のF1レースシートには就けなかったミック・シューマッハだが、メルセデスでリザーブドライバーを務めることになった。
2023年のF1レースシートには就けなかったミック・シューマッハだが、メルセデスでリザーブドライバーを務めることになった。全 7 枚

2021~22年のF1を「ハース」チームのレースドライバーとして戦ったミック・シューマッハが、来季2023年は「メルセデス」チームでリザーブドライバーを務めることになった。ミックは、F1通算7冠を誇るミハエル・シューマッハの息子。15日にチームが正式発表している。

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◆ハースから2シーズン参戦、決勝最高位は6位

1999年3月22日生まれ、現在23歳のミック・シューマッハ(国籍ドイツ)は2020年にFIA-F2選手権でシリーズチャンピオンとなり、翌2021年、ハースからF1レースデビューを飾った。日本の角田裕毅とは“同期生”の立場にあるドライバーだ(角田は2020年のF2でシリーズ3位、2021年にアルファタウリからF1レースデビュー)。

ミックの父は、F1最多7回のドライバーズタイトル獲得を果たした“皇帝”ミハエル・シューマッハ(7冠は現時点では最多タイ記録。現役のルイス・ハミルトンが並んでいる)。F2参戦時、ミックは父が全盛期を過ごしたフェラーリのアカデミー所属ドライバーになっていた。そして2021年シーズンに向けて、フェラーリ製パワーユニット(PU)搭載チームのひとつであるハースのレギュラーレースドライバーの座をつかむこととなる。

大きな期待をされる宿命を背負いつつ、マシン戦闘力的には恵まれたといえない状況で戦ったルーキーイヤーの2021年、ミックは10位以内入賞なしという結果に終わった。ただ、ハースは2021年をミック、そして同じく新人だったニキータ・マゼピンの育成に充て、チームのマシン開発リソースはレギュレーション大幅変更の2022年に向けて集中させる戦略を採っていたため、この成績的低迷は織り込み済みでもあった。

今季2022年はマシン戦闘力が向上し、ミックの成績も年間最高の決勝順位が6位と上向いている(ドライバーズランキング16位、入賞2回)。

だが、ロシア国籍のマゼピンが開幕前にチームを去る状況になり、代わって加入(復帰)した新たなチームメイト、ベテランのケビン・マグヌッセンに比べるとミックの評価は成績面でもパフォーマンス面でも厳しいものにならざるを得ない。マグヌッセンは年間最高5位、ランキング13位、入賞6回、そして雨絡みの幸運の助けもあったとはいえ、サンパウロGPではポールポジション獲得の快挙を演じるなどしているのだ。

◆父ミハエルも所属したメルセデスから「新たなスタート」

そうしたこともあり、ミックは来季2023年のレースシートからはあぶれていってしまう。ハースにはまたもやベテランのニコ・ヒュルケンベルグの加入が決まり(マグヌッセン残留)、現段階で2023年のF1全10チーム20席はすべて埋まっている。

レースシートがないとなれば、次善の策のひとつはリザーブドライバーだ(やはりF1という“場”に正式なつながりを持ち続けることには、実戦復帰のチャンスを得るために一定の意味があるのだろう)。ミックに関しては強豪メルセデスのリザーブドライバー就任が濃厚視されるようになり、今般、チームからそれが正式発表された。

メルセデスは父ミハエルが2010~12年にレースドライバーとして走ったチーム。来季2023年のリザーブドライバーとなったミックは、レース帯同やチーム本拠(英国)でのシミュレーターによるマシン開発作業などの職務に従事して、チームに貢献することとなる。

来季のメルセデスでレースドライバーを務めるのは、今季同様にハミルトンとジョージ・ラッセルだ。彼らがレースに出場できない状況が発生した場合には、ミックが代走候補になるものと思われる。

メルセデスは2014~21年にコンストラクターズタイトル8連覇の偉業を達成(2014~20年はドライバーズチャンピオンも輩出)。レギュレーション大幅変更の2022年は苦戦し、コンストラクターズランキング3位に甘んじたが、シーズン全体の流れとしては巻き返し傾向で、終盤のサンパウロGPではラッセルが自身F1初優勝を成し遂げ、ハミルトンが2位に続いて1-2フィニッシュを飾っている(2022年のメルセデスは年間1勝)。

レース出場は基本的にない立場ながら、つい最近までタイトルを獲り続けるなどしていた当代の超トップチームへの加入、これを新たなキャリア醸成の契機にしたいミック・シューマッハ。本人も「新たなスタートだと考えている」と意欲を見せている。

《遠藤俊幸》

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