ヤマハの高性能EV向けモーター、船舶、航空向けに提供へ…電動タグボート、ハイブリッド旅客機を試作

ヤマハ発動機のハイパーEV向け高性能電動モーター(最大出力350kWクラス)
ヤマハ発動機のハイパーEV向け高性能電動モーター(最大出力350kWクラス)全 4 枚

ヤマハ発動機は、電動モーターユニットの試作開発をIHI原動機から受託したと発表した。海上タグボートの推進装置として活用する。12月21日にヤマハ発動機本社でおこなわれた報道向けインタビューの中で、日高祥博社長が明らかにした。ヤマハの電動モーターユニットは主に高性能な四輪EV向けに試作開発の受託をおこなっているが、船舶向けは初。

ヤマハ発動機の高性能EVモーターと、STIのハイパーEV

IHI原動機が現在開発を進めている海上タグボート(タンカーなどを牽引するボート)の電動推進装置へ、ヤマハの電動モーターユニットを活用することで、従来の内燃機関直結式と比べて高効率な推進装置を実現、環境負荷の低減を実現するという。試作開発受託にあたっては、二輪をはじめ幅広い製品群に対応してきた鋳造、加工、組み立てを中心とした生産技術、試作設備などを活用し、短期間で開発を進める。

ヤマハが四輪EV向けの高性能電動モーターユニットの開発をおこない、試作開発を受託すると発表したのは2019年12月。日高社長は「3年間で多くの引き合いがあった中で、最近は具体的なご注文をいただけるようになった」と話す。今年1月には、スバルテクニカインターナショナル(STI)が開発中の近未来モータースポーツEV『STI E-RA』向けに提供をおこなったことが明らかになっていた。

自動車以外の業界からの引き合いもあり、そのひとつが今回のIHI原動機。さらに航空業界では、JAXAから試作開発を受託し年明けには納入する予定だという。ジェットエンジンと高性能電動モーターユニットを組み合わせたハイブリッド旅客機の実現に向け、開発を進める。

ヤマハは2021年に見直した「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」の目標達成に向け、二輪、四輪だけでなく船舶や他製品へも電動モーターの活用拡大を進めていく計画だとしている。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  2. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  3. 三菱自動車、国内販売は5期連続増 2025年4~9月期実績
  4. アバルト最初のSUV『パルス』、Netflix『ストレンジャー・シングス』仕様をブラジルで限定発売…隠し装備も
  5. インフィニティは最上位SUV『QX80』にGT-Rエンジン移植、1000馬力超「R-Spec」発表へ…SEMA 2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る