着工遅れの北陸新幹線新大阪延伸に、異例の調査費を計上 令和5年度政府予算案

建設が進む北陸新幹線敦賀駅の高架橋(2022年10月)。同駅から先、新大阪への工事は環境アセスメントを実施できず、事実上の棚上げ状態となっているため、政府では前例がない前倒し予算を組み、少しでも着工の遅れをカバーする構えだ。
建設が進む北陸新幹線敦賀駅の高架橋(2022年10月)。同駅から先、新大阪への工事は環境アセスメントを実施できず、事実上の棚上げ状態となっているため、政府では前例がない前倒し予算を組み、少しでも着工の遅れをカバーする構えだ。全 3 枚

12月23日、令和5年度政府予算案が閣議決定した。

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財務省が示した予算案の概要によると、国土交通省・公共事業関係予算の鉄道関係では、整備新幹線に前年度と同じ804億円が計上されているが、これとは別に、北陸新幹線敦賀~新大阪間の延伸事業で、従来は工事実施計画の認可後に行なっていた施工上の課題を解決する調査を先行的かつ集中的に行なうとする事業推進調査費に12億円が計上されている。

北陸新幹線の新大阪延伸については、2020年12月に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)が「令和5年度当初に着工する」決議をしているが、沿線の一部で着工に必要な環境影響調査(環境アセスメント)の実施に反対する動きがあることから決議どおりの着工が困難になっており、2023年度中の着工が事実上断念されたとの報道もある。

この異例とも言える措置について斉藤鉄夫国土交通大臣は12月23日に開かれた定例会見で、2020年の与党PTの決議を重く受け止めた結果だとしており、前倒し的な予算措置を採ることが沿線の反発を招くのではないのかという質問に対しては「調査結果も踏まえながら、地域の皆さまが懸念されている事項についてしっかりと説明し、地域の合意形成を迅速かつ丁寧に進めたいと考えています」と述べるに留め、開業時期の目安や環境アセスメントの遅れの程度など核心的な部分については見通せないとして言及を避けている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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