ポルシェ『ボクスター』次期型が挑むEVスポーツカーへの挑戦とは?

ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)
ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)全 20 枚

ポルシェ『718ボクスター/ケイマン』がいよいよ電動化される。次期モデルとして開発が進められている「ボクスターEV」(仮)のプロトタイプを、厳冬の北欧でスクープした。

プロトタイプが発見されたのは、気温がマイナス25度まで下がる北極圏に近いスウェーデン北部だ。これはBEVにとってかなり過酷な条件と言えるだろう。EVスポーツカーをサーキットでテストすると、パフォーマンスを損なう可能性があるバッテリー熱が発生するが、氷点下での走行では、それ以上に大きな影響が考えられる。

ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)

さらに、BEVのスポーツカーを作るのは、SUVタイプのBEVを作るよりも複雑だ。理由は電気ハードウェア、つまりバッテリーを搭載するスペースが少なく、重量が増えることでパフォーマンスが低下するから。そこでポルシェは、バッテリーパックをフロア下ではなく、後ろに配置して、従来のミッドシップエンジン車のレイアウトに倣い、低いルーフラインとシート高を維持できるようにしたのだ。

ボクスターEV/ケイマンEVは、最高出力1088psを発揮する「ミッションRコンセプト」からインスパイアされたスタイリングを採用する。プロトタイプのノーズ、テール、サイドの厳重なカモフラージュはそれらを隠すためだ。また後部は、『タイカン』と『マカンEV』のプロトタイプ同様にリアバンパー中央にダミーの排気口を追加している。

ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)ポルシェ ボクスター 次期型EVプロトタイプ(スクープ写真)

アウディと共同で開発している「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック」(PPE)アーキテクチャを採用する可能性が高く、ボクスター/ケイマンシリーズとして初めてデュアルモーターによる全輪駆動がホットモデルに用意される予定となっている。

注目は重量増加だが、ミッションRの重量は1500kg(3306ポンド)で、「ケイマンGT4 RS」から約85kg (187ポンド)の増加のみ。市販型でもこれを目指し開発が進められていることだろう。

ボクスターEV/ケイマンEVの生産は、2024年後半に予定されていることから、2つのEVは2024年モデルとして、2023年内にワールドプレミアが期待されている。またポルシェは、2020年代終わりまでに年間販売の80%がICE(内燃機関)のない車両になると予測している。

《APOLLO NEWS SERVICE》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  3. これで公道走行可能だと? BMW『M2 トラック・パッケージ』がニュルに出現!
  4. クラシックな雰囲気が人気! ダムドの『ハイゼット/アトレー』向けカスタムボディキットに新作アイテム3点が登場
  5. 「衝撃の価格」中国メーカーの大型3列シートSUVが話題に!「むしろ経営が心配」の声も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る