日本車の歴史…日産はイギリスから技術導入、トヨタは独自で身に付けた理由

『コロナとブルーバードの時代【新訂版】』
『コロナとブルーバードの時代【新訂版】』全 3 枚

『コロナとブルーバードの時代【新訂版】』
RT40型と510型の隆盛までを中心として
著者:桂木洋二
発行:グランプリ出版
定価:2200円
ISBN978-4-87687-3998-9

トヨタ・コロナ(左)とトヨタ・コロナマークⅡ(右)トヨタ・コロナ(左)とトヨタ・コロナマークⅡ(右)

戦後、日本の自動車メーカーが本格的に世界へ進出するまでに成長してゆく過程を、2台の代表車種、トヨタ『コロナ』と日産『ブルーバード』を通して描いた書籍が刊行された。

戦後の日本の自動車メーカーのなかで、トヨタと日産は群を抜いた存在であった。その両雄が真っ向から対決したのがコロナとブルーバードだ。それは車両開発はもとより、販売面においてもそうで、その競争は当時“BC戦争”などと称され、大きな話題となった。本書では、それぞれ開発プロセスを辿ることで、日本の自動車メーカーが国際的なレベルのクルマをつくるようになっていく経過を、詳細に解説している。

ブルーバード1600セダンSSSブルーバード1600セダンSSS

戦後日産は欧米に対し技術力が遅れていることを認識し、そこを埋め、さらに成長していくために、イギリスのオースチンと提携しノックダウン生産を開始する。一方のトヨタは純国産を目指し、独自で技術力を身に着けていく。そこには、創業者、豊田喜一郎の基本的な考え方である、苦労して独力で開発したものではなくては、それを改良してより良いものに仕上げていくことはできないというものから来ていた。

このように両社は車両開発の時点から大きくスタンスが異なっていたのである。そうしていくつかの車両開発を経て生まれたのがコロナでありブルーバードという両社の代表車種であった。

本書はこの2台が生まれるまで、そして、生まれた後の海外を含めた販売戦略や次期開発につなげる過程、そのときの社会情勢を見極めながら考察しているので、商品企画やマーケティングに興味のある人たちにもその参考になる一冊である。

なお本書は2007年8月に発行された『コロナとブルーバードの時代』の内容を再確認し、当時の写真や資料等を追加した新訂版である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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