[プロセッサー活用]中音から高音までのコントロールのコツ…イコライザー

「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
「イコライザー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 1 枚

当連載では、サウンドチューニングをつかさどるメカである「プロセッサー」の使い方を解説している。今回は前回に引き続き、「イコライザー」の各バンドを上げ下げすることでどのような音の変化が現れるのかを紹介していく。

早速本題に入ろう。前回は、超低音から200Hzあたりの中低音域について説明したので、今回はその上の帯域について見ていく。

まず200Hzあたりから500Hzあたりの帯域は、上げ下げすると「厚さ」に影響が出る。例えばこの帯域をブーストすると弦楽器の厚みが増し、カットすると録音した場所(室内)のこもりが取れることがある。

続いて500Hzあたりから1kHzあたりまでの帯域は、上げ下げすると「明るさ」に影響が出る。なのでブーストすると音の力強さや量感やパンチ力が増す。

なお200Hzあたりから1kHzあたりまでは総じて、ブーストすると量感や張りが出て、カットすると量感が減衰し、引っ込んだような音になりやすい。

続いてはその上の2kHzあたりの帯域について説明しよう。このあたりは、人間の耳には刺激的に感じられる帯域だ。で、この帯域を上げ下げすると、金管楽器の明るさや華やかさ、打楽器のハギレの良さに影響が出る。なおキンキンと耳に付くサウンドになっている場合には、この帯域のバンドのツマミを下げてみよう。そうするとマイルドなサウンドになるはずだ。

また4kHzあたりの帯域は、音の「艶」に影響が出る。なのでここをブーストすると弦楽器の音に張りが出てくる。逆にカットすると聴きやすく疲れにくい音になる。

そして1kHzから5kHzあたりまでの帯域は総じて、ブーストすると派手な音、鋭い音になり、カットすると柔らかい音になる。

そこからさらに上の帯域については、操作することで以下のような変化が現れる。まず5kHzから10kHzあたりまでについては、ブーストすると例えばシンバルの余韻をキレイに表現できるようになり、逆にカットするとボーカルの子音のきつさをマイルドにできる。

一方それよりもさらに上の16kHzあたりの帯域には音程を表現する基音はほぼ含まれなくなるので、倍音の響き方が変わり余韻に影響が出る。ブーストすると音の広がりや繊細さが増していく。

なお、5kHzから20kHzあたりまでの帯域は総じて、ブーストすると冷たい音になったり繊細な音になったりする。逆にカットすると甘い音になっていく。

以上が帯域ごとの「イコライザー」の操作による音の変わり方の目安だ。しかし結局のところは、実際はどうなのかを耳で聴いて体験しておくことが肝要となる。機会を見つけてはさまざまな音源を聴きながら各バンドのツマミを上げ下げして、音がどう変化するのかその傾向を耳に覚え込ませよう。そしてその体験が、のちの「イコライザー」操作の糧になる。とにもかくにも触ってみることが、「イコライザー」の操作を上達させる礎となる。試行錯誤を繰り返そう。

今回は以上だ。次回からは新たな章に突入する。お楽しみに。

《太田祥三》

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