西九州新幹線の佐賀空港ルートは選択肢となり得ない、芸備線は鉄道の特性を議論に 国交相

芸備線備後落合駅で並ぶ芸備線の気動車。同線は広島都市圏の下深川~広島間で輸送密度が8000人キロを超えていることから、路線全体の輸送密度は1106人キロとなっているが、全体の7割は1000人キロ以下と厳しい数字が続いている。
芸備線備後落合駅で並ぶ芸備線の気動車。同線は広島都市圏の下深川~広島間で輸送密度が8000人キロを超えていることから、路線全体の輸送密度は1106人キロとなっているが、全体の7割は1000人キロ以下と厳しい数字が続いている。全 2 枚

斉藤鉄夫国土交通大臣は2月3日に開かれた定例会見で、JR西日本芸備線と九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間の整備問題について記者の質問に答えた。

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芸備線については、2月1日に岡山、広島両県がJR西日本に対して1回目のヒアリングを行なっており、存廃の議論を求めるJR西日本と利用促進を議論したい自治体側が初めて相まみえた。

今回のヒヤリングでは自治体側が求めていたJR西日本全路線の収支開示が行なわれなかったが、これについて斉藤大臣は、情報公開は必要であるとしながら、その開示は鉄道事業者が適切に判断していくことであるとした上で「問題の本質は、どの路線が赤字か黒字か、ではなく、当該地域において、大量輸送機関としての鉄道特性を発揮できているか、という点だと考えています」と述べており、今後、関係者間の議論の進展に期待しつつ、国交省として円滑な対話へ向けて最大限支援を行なう意向を示している。

西九州新幹線新鳥栖~武雄温泉間については、佐賀県が佐賀空港を経由する南回りルートを主張しており、整備主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)がその技術的な施工可能性を調査検討していた。

その結果、「現地の状況に最も適しているシールドトンネルであっても、トンネルが場所によって異なる沈下をする懸念があるため、ミリ単位の軌道面の調整が必要となる新幹線の安全な運行に支障を生じさせるおそれがあることから、現実的な選択肢とはなり得ない」という報告が与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会(与党PT)に対して行なわれ、与党PTからは佐賀県に対して丁寧に説明する指示が出されたという。

斉藤大臣も鉄道局に対して、できるだけ早く佐賀県に説明するよう指示したとしており、議論を積み重ねていく考えを示した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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