純正の魅力をスポイルしない…BMW M4 前編[インストール・レビュー]

BMW M4
BMW M4全 10 枚

ベテランユーザーの宮田さんは憧れだったBMW『M4』へ乗り換えた際にオーディオユニットを前車から移設。その際にスペース効率を優先した取り付けを実施。ラゲッジスペースの確保などを製作ショップである静岡県のレジェーラにオーダーすることにした。

◆スペースの限られたラゲッジのフロア下に
DSPやパワーアンプを凝縮してインストール

ラゲッジスペースの前方にある床下スペースを使ってパワーアンプやDSPなどをインストール作戦を実施した。ラゲッジスペースの前方にある床下スペースを使ってパワーアンプやDSPなどをインストール作戦を実施した。
よく見ると床下スペースはパネルで仕切ることで上下二段に階層分けしている。パワーアンプは下層にインストールされている。よく見ると床下スペースはパネルで仕切ることで上下二段に階層分けしている。パワーアンプは下層にインストールされている。ラゲッジ全体から見るとこの通り限られたスペースしか無いので、数多くのユニットを収めるのには苦労したようだ。ラゲッジ全体から見るとこの通り限られたスペースしか無いので、数多くのユニットを収めるのには苦労したようだ。

愛車をBMW『Z4』から長年の憧れだったBMWへと乗り換えたのを機会にユニットの載せ替えとインストールを実施した宮田さん、しかしノーマル状態を崩さず取り付けることをテーマにしたためインストールは各所で工夫が必要になった。そのひとつが意外に厚みの少ないM4のラゲッジフロア。完成形のラゲッジ床下をのぞき込めば、このスペースに全ユニットを収めることの大変さがわかるだろう。

フロアパネルを開けると見えてくるのがオーディオボードの上に設置されているヘリックスのDSP PRO MK2とターミナルブロック。しかし、よく見るとケーブル類がさらに床下へとつながっているのが確認できる。実はこの部分は上下の階層に分かれた構造を採用して、DSPが取り付けられている面のさらに床下スペースにパワーアンプを収める構造になっているのだ。

この手の込んだ省スペース取り付けを実施した裏にはオーナーの「ノーマルを崩すこと無くラゲッジのユニット類はすべて床下に収めて欲しい」というオーダーがあったから。そこでインストーラーが工夫を重ねて生み出した取り付け方法がこちらだった。

◆二段階層の下段には6台のパワーアンプを設置
ケーブル類の取り回しも計算された作り込み

プロセッサーにはヘリックスの定番モデルであるDSP PRO MK2を採用。ケーブル類は最短距離でアンプと接続できる構造。プロセッサーにはヘリックスの定番モデルであるDSP PRO MK2を採用。ケーブル類は最短距離でアンプと接続できる構造。トップパネルの隙間から下層を見ると確かにパワーアンプがインストールされているのがわかる。ギリギリのスペースを利用している。トップパネルの隙間から下層を見ると確かにパワーアンプがインストールされているのがわかる。ギリギリのスペースを利用している。トップパネルを外した下層へのパワーアンプ設置の様子がこちら。6台のリファレンスR-107Sをこのようにレイアウトしている。トップパネルを外した下層へのパワーアンプ設置の様子がこちら。6台のリファレンスR-107Sをこのようにレイアウトしている。

ラゲッジのフロア下に設置されたオーディオボード・トップ面に取り付けられるのはヘリックスのDSP PRO MK2。フロント3ウェイのシステムをコントロールするにも不足の無い高品質ユニットだ。しかし先にも紹介した通り、DSPを取り付けた面の階下には大量のパワーアンプがインストールされているのだが、ラゲッジを上から見ているだけでは下層の様子はほとんどうかがい知ることはできない。

ただしトップパネルの隙間から下層をのぞき見るとパワーアンプの一部が見える。用いられているパワーアンプはビーウィズのモノラルアンプであるリファレンスR-107S。3ウェイをドライブするためモノラルアンプ×6台を必要とするのだが、これがスペース的にかなり厳しいオーダーとなった。写真のように各パワーアンプを横向けに設置した上で立てて設置しスペースを有効利用している。

そんな6台のパワーアンプをすっぽりとカバーするように作られたパネルを被せると、6台のパワーアンプはほぼ外側からは見えない構造になっている。上部のターミナルブロックからのパワーケーカーブルの取り回しはトップパネル中央部に開けられた穴からアクセス。DSPからのRCAケーブルも含めて効率良く短距離で収められているのも計算通りだ。ギリギリのスペース効率を追求したからこそ実現できた取り付けスタイルと言えるだろう。

◆純正状態をキープする取り付けは
ラゲッジに加えてキャビン側にも及ぶ

ラゲッジは完全にフラットにすることができるのもオーナーの望み通り。使い勝手を一切スポイルしない仕様が完成した。ラゲッジは完全にフラットにすることができるのもオーナーの望み通り。使い勝手を一切スポイルしない仕様が完成した。省スペースのインストールはキャビン側でも実践される。助手席下にはDACをフロアに潜り込ませるように設置している。省スペースのインストールはキャビン側でも実践される。助手席下にはDACをフロアに潜り込ませるように設置している。DACにはオーディオテクニカのAT-HRD500をチョイス。こちらの写真は作業中の様子、シート下のわずかなスペースを利用している。DACにはオーディオテクニカのAT-HRD500をチョイス。こちらの写真は作業中の様子、シート下のわずかなスペースを利用している。

限られたスペースのラゲッジフロア下のスペースを6台のパワーアンプとDSP、ターミナルブロックなどで隙間無くレイアウトしたこのクルマ。スペースを余すところなく使い切ったことでオーナーが望んだフロア下にすべてのユニットを収めることに成功した。ラゲッジフロアを被せれば完全にフラットなラゲッジが現れる。もちろん荷物の積載性能も純正と同じレベルをしっかり維持している。使い勝手を含めて純正並みをキープするというオーナーの望みはこうして実現されている。

オーナーにとっては長年の憧れのクルマだったM4なのでクルマとしての魅力をフルに感じていたいという強い思いも持ってスタートさせたインストールだっただけに、オーディオインストールと言えども譲れない部分だったようだ。

そんな純正状態を重視した取り付けはキャビン側にも及んでいる。その代表的なポイントが助手席下に設置したオーディオテクニカのDACであるAT-HRD500。フロアカーペットに部分的に埋め込むように取り付けられたスタイルはあくまでもスペース効率を優先した取り付けなのが見て取れる。

システムデザインへのこだわりはもちろんだが、M4の純正が持つ魅力をスポイルしない取り付けを実践したこのクルマへの処理。次回の後編ではフロントまわりの取り付けスタイルについて紹介して行くこととしよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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