超小型EV「ミニマムモビリティ コンセプト」に試乗、開発行程&設計の詳細【KGモーターズ徹底分析 第2回】

ミニマムモビリティ コンセプトに試乗する著者・鈴木万治氏。
ミニマムモビリティ コンセプトに試乗する著者・鈴木万治氏。全 8 枚

世界的なEVシフトの中、EVで出遅れたはずの日本でオリジナリティに満ちた新しい超小型EVが生まれようとしている。広島県のスタートアップ、KGモーターズによる『ミニマムモビリティ』。そのコンセプトモデルに注目が集まった。

長年自動車業界で活躍しEVに精通する鈴木万治氏が、開発元のKGモーターズに密着取材し、その実像をレポートする。第2回は実際に『ミニマムモビリティ コンセプト』に試乗し、その詳細を分析する。

◆「世界一売れているEV」との違いは?

東京オートサロン2023の展示車の中でも、自動車業界通の注目を集めたKGモーターズ「ミニマムモビリティ コンセプト」。見た目こそ派手さはないが、1人乗りの超小型4輪EVという思い切ったコンセプトは斬新だった。

既に世界では小型で安価な中国製BEV「宏光Mini EV」が猛烈に売れているが、それも参考にしつつ、日本の道路交通法や道路事情や生活に合わせて最適化した、新しいモビリティの提案であることが重要だ。

今回、KGモーターズと名古屋大学山本教授の協力を得て、ミニマムモビリティ コンセプトの試乗と分析が実現した。現時点の完成度だけでなく、その設計工程や製造工程に関して、本記事で詳細にまとめる。

今回試乗したミニマムモビリティ コンセプト。公道は走れないので限定された構内の走行となった。

◆サイズと動力性能のバランス

早速、試乗してみた。車体サイズは、ミニカー規格内の全長2450×全幅1090×全高1500mm。感覚としては、1.6畳と言えばわかりやすいだろうか。一人で荷物を載せて移動する空間としては、圧迫感はない。昔から「起きて半畳寝て1畳」という言葉があるが、このモデルの場合「移動の時も1.6畳」と表現できる。

モードを「ドライブ」にして、試作車ならではの「非常停止ボタン」を解除してアクセルを踏み込むと、スムーズに発進、加速していく。今回は、走行できる範囲が限定されていたため、最高速まで加速を維持することはできなかったが、荒削りではあるが平地での動力性能に関して不満は感じなかった。用途を考えれば、30km/h前後の速度が常用域だと考えられるため、現状のパワートレインで問題はないだろう。

《鈴木万治》

鈴木万治

鈴木万治|スズキマンジ事務所代表 1986年(昭和61年)名大院工学部原子核工学修了、日本電装(現デンソー)入社。宇宙機器開発やモデルベース開発など全社プロジェクトを担当。2017年から20年まで米シリコンバレーに駐在し、18年からは中国子会社のイノベーション部門トップも兼務。数週間ごとに米中を行き来する生活を送った。21年にスズキマンジ事務所を開業。(記事は個人の見解であり、所属する会社とは一切関係ありません)

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