理由はドレスアップだけじゃない! ツライチのワイドトレッド化で性能アップ~カスタムHOW TO~

理由はドレスアップだけじゃない! ツライチのワイドトレッド化で性能アップ~カスタムHOW TO~
理由はドレスアップだけじゃない! ツライチのワイドトレッド化で性能アップ~カスタムHOW TO~全 4 枚

タイヤをフェンダーギリギリの位置まで外側に出すワイドトレッド化。左右のタイヤの距離を延ばせば、それだけ踏ん張りが効くようになるハズだが、必ずしも良いことばかりが起きるわけではない。

【画像全4枚】

◆トレッド幅を広げることで走行性能はアップするのか

左右のタイヤの間の距離をトレッド幅という。F1を筆頭にフォーミュラカーはボディよりも外側にタイヤがあり、それだけ踏ん張りが効くように見える。レース用のツーリングカーでもその多くはワイドトレッド化されていて、オーバーフェンダーになったりしてタイヤが外側に出されている。

基本的に人間の足と同じで、ある程度幅が広いほうが安定感が増し、コーナリングスピードを上げることができる。ならば、ワイドトレッド化しようと思うのは当然のこと。純正ホイールに純正タイヤを装着している場合、フェンダーギリギリまでタイヤを外側に出そうと思ったら、スペーサーで30mmくらいは外に出すことができる。トレッド幅でいえば60mmくらいのワイドトレッド化も可能だ。しかし、実はそれをやったらいきなり「すごく踏ん張りが効く!!」とか、「劇的にコーナリングが速くなった!!」とならない。

その理由はいくつかあり、まずワイドトレッド化はサスペンションに大きく影響すること。サスペンションの支点からタイヤまでの距離が長くなるので、そこでサスペンションに掛かる力が変わる。具体的には作用点が遠くなるので、サスペンションへの入力が増えて、サスペンションが柔らかく感じられるようになる。柔らかくなってしまうのでこれまで以上にロール量が増えてしまい、イン側タイヤが上手く使えなかったりして、思ったように踏ん張るようになってくれない。

そして、曲がり出すときに妙にダルく鈍くなってくることがある。これはタイヤが弧を描いて曲がるようになるのが原因。ノーマルホイールの場合、タイヤのトレッドの中心あたりを軸にしてタイヤは回転している。しかし、スペーサーでタイヤが外に出てしまうと、タイヤが向きを変える中心がトレッド中心から、トレッドの内側に移動してしまう。そうなるとタイヤは弧を描くように向きを変えていく。アウト側タイヤは前方に出て、イン側タイヤは後方に下がるようになってしまう。この変化によって、スムーズなコーナリングができなくなってしまうのだ。

「踏ん張りが効くようになって、グイグイ曲がる」予定だったのが、なんとなくダラダラとして曲がらなくなってしまう。これを改善するにはアームを伸ばす方法でワイドトレッド化するしかない。それは法的にも申請が必要で大掛かりなチューニングなり、実際かなり煩わしい。現実的にはワイドトレッド化したら、その特性を上手く操るようにアライメントやサスペンションセッティングを変えていくしかないのだ。なので、一概にトレッド幅を広げればハンドリングがよくなるというものではない。どちらかというと、悪影響のほうが大きいとも言えるチューニングなので、周辺パーツのセッティングも含めて手を入れる必要があるのだ。

ちなみにワイドトレッド化のときにホイールを交換して、タイヤサイズも幅を広げることが多い。これもグリップ力が上がると思われがちだが絶対にそうとも言い切れない。基本的には摩擦する面積が増えるので、タイヤのグリップ力は向上する方向。しかし、軽いクルマですごく幅の広いタイヤにすると面圧と呼ばれる、タイヤを路面に押し付ける圧力が低くなってしまう。それによって荷重が足りないことで滑りやすくなったり、タイヤが温まりにくくなることもある。

実際サーキット走行では、良かれと思って幅広タイヤにしてきたことで、冬場にはまったくタイヤが温まらずタイムが落ちてしまったとか、滑りやすく怖い思いをしたということも多い。限界性能は上かもしれないが、使える環境やシチュエーションが限られてくるのだ。

その点、ノーマル幅のタイヤやトレッドは限界性能こそまだ伸びしろがあるものの、扱いやすさが高いことが多い。ナローなトレッド幅は荷重が掛けやすく、幅の広くないタイヤは面圧がよく掛かって温まりやすい。そういった扱いやすさは明らかにノーマル設定に軍配が上がる。

ドライビングの基礎を学ぶとか、あえて運転を見直す機会には、そういった純正サイズとトレッド幅に立ち返ってみるのも良いだろう。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ノア/ヴォクシー』次期型は新開発エンジン搭載のHEVに…土曜ニュースランキング
  2. 【BYD ラッコ 新型試乗】1週間、日常使いをしてわかった「2つのメリット」と「3つの課題」…中村孝仁
  3. 広く、低く、鋭い“スティングレイ・ルック”を謳った、スズキ『フロンテ71』【懐かしカーカタログ】
  4. ホンダ『WR-V』が2027年に大幅改良か? 新顔デザイン採用、待望のハイブリッド追加も!
  5. ヤマハ発動機、上級モデルのフィッシングボート『YFR330 プレミアムライン』発売 楽器加工を活かしたウッドパネルも
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  2. タイ矢崎電線のアルミ新工場がタイに完成、生産量3倍に増強…送配電網・自動車向けに対応
  3. ボッシュ、大型商用車事業の売上倍増へ…IAA TRANSPORTATION 2026
  4. 全ての体格に対応する後席用新型シートベルト、ZFが2025年央発売へ
  5. 廃棄ガラスのフロート板ガラス水平リサイクルに成功、日本板硝子と板硝子協会が国内初実証
ランキングをもっと見る