根室本線・富良野-新得間の存廃が重大局面…2024年3月中の廃止合意と8000筆を越える廃止反対署名

かなやま湖を望む根室本線金山~東鹿越間を行くキハ40の普通列車。2011年7月28日。
かなやま湖を望む根室本線金山~東鹿越間を行くキハ40の普通列車。2011年7月28日。全 5 枚

鈴木直道北海道知事は3月8日に開かれた定例会見で、根室本線・富良野~新得間の存廃について記者の質問に答えた。

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同区間については、2016年8月の台風被害により東鹿越~新得間でバス代行が続いており、2021年度の線区別収支では、1日あたりの平均通過人員(輸送密度)が50人、100円を稼ぐために要する費用を示した営業係数(管理費を含む)が3287円となっている。

これは4月1日に石狩沼田~留萌間が廃止される留萌本線・深川~留萌間を上回るワースト1で、沿線の富良野市、南富良野町、占冠村、新得町はJR北海道から協議の申入れがあった2021年7月から第3セクター化やバス転換を視野に入れた協議を続けてきた。

しかし、2023年3月6日にはJR北海道から新たな交通体系について支援の方向性が示されたことから、2024年3月末での廃止を大筋で了承し、3月中には正式合意する見通しとする報道がなされ、重大な局面を迎えている。

一方で、新得町の住民団体「根室本線の災害復旧と存続を求める会」では富良野~新得間が道北と道東を周遊する観光列車のルートや、雪害時に旭川と新千歳空港を結ぶ代替ルートになりうるとして、存続を求める署名8416筆を集め、鈴木知事に提出している。

この一連の動きについて鈴木知事は、自身が夕張市長時代に決断した石勝線夕張支線(新夕張~夕張)を例に出して「苦渋の選択である」とした上で、「しっかり寄り添いながら、最適な交通体系の構築に向けて、しっかりと取り組んでいくことが重要である」と述べるに留めている。

《佐藤正樹》

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