ホンダ、既製の自転車を電動アシスト化---「SmaChari」第1号は9月発売

スポーツ自転車専門店「Y's Road」で販売される第一号モデル
スポーツ自転車専門店「Y's Road」で販売される第一号モデル全 19 枚

本田技研工業(ホンダ)は3月29日、自転車の電動アシスト化およびコネクテッド化を実現する新サービス「SmaChari(スマチャリ)を発表した。現システムを搭載した自転車の第一号はワイ・インターナショナルが9月に発売予定で、今後はより多くの自転車への展開を目指す。

◆自転車の電動アシスト化を推進

このサービスはスマートフォンアプリと自転車に取り付ける電動アシストユニットで構成されるもので、スマチャリのスマートフォンアプリを利用者へ提供するとともに、スマチャリを搭載した自転車を製造・販売する企業に対して有償で提供する。これはまさにホンダが1947年に発売した自転車の補助エンジン、ホンダ『A型』(通称:バタバタ)の現代版ともなるサービスと言えるだろう。

具体的には、電動アシストユニットを様々な自転車に後付け展開し、専用のスマートフォンアプリと連携して様々なサービスを提供することになる。これに合わせ、ホンダは取り付ける自転車に応じて法規に準拠したアシスト出力の最適化や出力を制御する技術を新たに開発した。電動アシスト機能を搭載していない既成の自転車を対象に型式認定取得にも対応する。

また、このサービスを利用することにより、スマートフォンアプリを介してコネクテッド機能を活用したさまざまな機能・情報を利用可能となる。たとえば電動アシストシステムの起動や個人に合わせたアシスト出力の最適化、速度など走行状態やバッテリー残量の表示、故障の検知、走行データ管理、位置情報の共有、所有者情報の管理などが対象となる。

注目なのは、ホンダ自身が、自転車や電動ユニットなどハード面での開発を行うわけではないということ。あくまでホンダは関連技術をライセンス提供し、運用や管理にまつわるプラットフォームを有償提供するのみにとどまる。これにより、より多くの自転車の電動アシスト化を進め、多彩なニーズに応えていくことにしている。

◆10~20歳代で電動アシスト自転車が低い理由とは

3月29日に開催された発表会では、本田技術研究所 ソリューションシステム開発センター 戦略・商品企画室 商品企画BLの野村真成氏が登壇してスマチャリの概要をを説明した。

そこで野村氏は「自転車は国内保有台数は約7000万台で、自転車は最も身近なモビリティ。特に若者の移動手段として重要な役割を担っている」と説明。その一方で、通学経路に急な坂道の存在する高校は全体の45%に相当する2316校に上り、高校生の48%電動アシスト自転車が欲しいと回答したという。


《会田肇》

アクセスランキング

  1. 「めちゃくちゃ好きでした、さよなら」フォードGTの販売終了に対しファンからは悲しみの声
  2. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  3. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  4. 「アルパインスタイル仙台R4」がグランドオープン、待望の仙台エリアへ出店
  5. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る