セキュア開発を支えるセキュリティテスト【自動車セキュリティ解説 第3回】

検証と妥当性確認

脆弱性テストとペネトレーションテスト

ECUのセキュリティテスト

セキュリティテストの手法

イメージ
イメージ全 6 枚

自動車業界が直面するサイバーセキュリティの課題と対策を取り上げる本シリーズでは、自動車サイバーセキュリティに関する国際基準を取り巻く状況や、各OEMやサプライヤーのセキュリティ対応の現状や課題のほか、車両のセキュリティリスクに対する合理的な予見と対策の起点である脅威分析について解説してきた。

第3回では、第2回で解説した脅威分析に基づいたセキュリティ対策が正しく設計・実装され、かつそれらが分析結果に対して妥当な対策となっていることを実証するためのテストについて取り上げる。

検証と妥当性確認

これまでの解説でも触れてきたとおり、UNR155では「合理的に予見し得る車両のセキュリティリスクに対して、OEMによる十分な対策が施されていることの実証」が求められている。UNR155の準拠にあたっては、TARA(脅威分析とリスクアセスメント)によって導き出されたセキュリティ対策に対して「検証」と「妥当性確認」の2つの観点から「十分な対策の実証」を行う。

図1:TARAに対応する「検証」と「妥当性確認」の目的

「検証」は、セキュリティ対策が正しく設計・実装されているかの確認を行い、「妥当性確認」は、TARAによって予見された車両のセキュリティリスクへの対応が十分かつ漏れのない対策となっているかどうかの確認を行う。

脆弱性テストとペネトレーションテスト

脆弱性テストは、脆弱性の発見のために、テスト項目と判定基準に基づいて行われる。これらは、公知脆弱性やCWE(共通脆弱性タイプ)などに基づいて定義され、セキュリティ対策が正しく設計・実装されていることを確認する「検証」に対応する。また、項目や判定基準があらかじめ定義されていることから、ペネトレーションテストに比べるとテスト期間は短く済む。


《PwCコンサルティング合同会社》

アクセスランキング

  1. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  2. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 「盤石シャシー」に「戦甲車体」採用、ワイルドすぎるオフロードSUVが1時間で9700台受注の人気に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る