[音の極め方]音のプロが明かす! 外部パワーアンプで手に入る、驚きの音質向上

『クワトロリゴ・デシデリオ』を搭載したオーディオカー(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。
『クワトロリゴ・デシデリオ』を搭載したオーディオカー(製作ショップ:イングラフ<青森県>)。全 7 枚

理想のサウンドを追求しようとするときの方法論をさまざま紹介している当特集。今回は、「超ハイエンド・外部パワーアンプ」を使うというアプローチについて、具体的なモデル名を挙げながら解説していく。

◆「外部パワーアンプ」はエントリー機から超高級機までの価格差がとても大きい…

カーオーディオの楽しみ方はさまざまあるが、とことん音にこだわるというやり方も存在している。ただしそこのところを突き詰めようとすると、場合によってはかなりのコストがかかってしまう。しかしそのコストはダテではない。やり方を間違えなければ、だからこその利点を発揮する。

さて、「超ハイエンド・外部パワーアンプ」を使うというやり方を実践する場合には、特にコストがかかりがちだ。しかしその効果も相応に大きい。

ところで、通常ならば「外部パワーアンプ」は特には必要ない。なぜなら、純正・市販を問わずメインユニットにはパワーアンプが内蔵されているからだ。しかしそれと「外部パワーアンプ」とでは性能差がかなり開く。ゆえにカーオーディオ愛好家の多くは、敢えて「外部パワーアンプ」を使用する。

で、その「外部パワーアンプ」にはさまざまなモデルがある。そしてエントリーモデルから超ハイエンド機までの価格差も大きい。なので超高級機ともなると、エントリー機とは異次元のサウンドが聴けるようになる。パワーアンプは基本的な仕組みがシンプルなだけに、コストを投じれば投じるほどどんどん高性能化していくからだ。

ビーウィズ・P-1Rビーウィズ・P-1R

◆究極の「マルチアンプシステム」を組みたいと思ったときには…

では、具体的にはどのようなモデルがあるのかを見ていこう。まずは国産ハイエンドカーオーディオブランドの「ビーウィズ」が擁するモデルから。

同社は、『P-1R』(税抜価格:18万円)というモデルを持っている。なおこの価格を見て、特に超高級ではないのでは、と思う向きもあるかもしれない。しかし当機は実は、「モノラルパワーアンプ」だ。なのでもしもフロント2ウェイスピーカーをマルチドライブさせようと思ったら、当機が4台必要となる。その場合の税抜金額は72万円だ。十二分に「超ハイエンドモデル」と言い切れる。

なお当機は、“モノラル”であることにこだわって作られている。というのも「ビーウィズ」は古くから「モノラルパワーアンプ」を積極的に開発してきた。システム構築においてチャンネルセパレーションの良さを重視する思想を持つからだ。ゆえに近年は、プロセッサーにも完全モノラル仕様のモデルをラインナップさせている。かくして当機も「ビーウィズ」の考える理想的なシステム作りを行えるように、高性能な「モノラルパワーアンプ」に仕上げられている。

また、使用パーツが高品位であることも特長だ。新日本無線と共同開発した音響専用オペアンプIC『BSZ1』型や大容量音響専用SiC(シリコンカーバイド)ダイオード『MUSES7001』型などの、同社オリジナルデバイスまでもが搭載されている。

1つ1つスピーカーにパワーアンプの1chずつをあてがう「マルチアンプシステム」を究極的な形にて完成させたいと思ったときには、当機があることを思い出すベシ。

クワトロリゴ・デシデリオクワトロリゴ・デシデリオ

◆超ド級のスペシャル・ハイエンドパワーアンプも存在!?

続いては、図抜けた「超ハイエンド・外部パワーアンプ」を紹介したい。それは、「クワトロリゴ」の『ラ・プリマ シリーズ』だ。

なお当シリーズは、3モデルで構成されている。AB級2chモデルの『デシデリオ』(税抜価格:220万円)、AB級2chモデルの『プロデジオ』(税抜価格:110万円)、A級2chモデルの『プレステジオ』(税抜価格:70万円)、この3モデルだ。なおこれらはどれも高額だが、『デシデリオ』は際立って高価だ。

ゆえに、性能的にも特別だ。これを搭載したクルマの音を聴く機会が何度かあったが、そのサウンドの完成度は一般的なオーディオカーのそれとは明らかに一線を画していた。とにもかくにも1音1音が丁寧に紡ぎ出されるという印象で、ゆえに楽曲の持つ感動力が最大限発揮され、世界に引き込む力がすこぶる強い。

なおカーオーディオは製品の性能だけで音が決まるものではなく、取り付け、チューニングも含めた総合力がモノを言う。なのでそのクルマの音が良いのはパワーアンプの実力だけによるものではないのだが、その性能が最終的な出音に大きく影響していることもまた確かだ。

今回は以上だ。次回はさらにマニアックなアプローチを紹介していく予定だ。お楽しみに。

《太田祥三》

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