JR西日本も水素利用の燃料電池列車でゼロカーボンへ…軽油で動く気動車を置き換え

鉄道車両と自動車の技術を融合すべく、燃料電池と蓄電池によるハイブリッドシステムを使用しているJR東日本のFV-E991系『HIBARI』(HYdrogen-HYBrid Advanced Rail vehicle for Innovationの略)。
鉄道車両と自動車の技術を融合すべく、燃料電池と蓄電池によるハイブリッドシステムを使用しているJR東日本のFV-E991系『HIBARI』(HYdrogen-HYBrid Advanced Rail vehicle for Innovationの略)。全 2 枚

JR西日本は4月12日、燃料電池列車の導入へ向けた開発に着手すると発表した。

これは同社が2021年4月に策定した環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」に基づき、2050年にグループ全体の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることを視野に取り組まれるもので、必要な水素については、駅などに総合水素ステーションを設け、燃料電池列車やJR貨物の貨物列車のほか、バス、トラック、乗用車にも供給するとしている。

JR西日本における水素利活用計画のイメージ。同社では、姫路港などでの次世代エネルギー導入や脱炭素化を目的とした兵庫県の産官学連携組織「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会」に参画し、検討を進めてきたという。JR西日本における水素利活用計画のイメージ。同社では、姫路港などでの次世代エネルギー導入や脱炭素化を目的とした兵庫県の産官学連携組織「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会」に参画し、検討を進めてきたという。

燃料電池列車の開発は、軽油を燃料とする気動車の置換えを視野に入れているが、同様の取組みはJR東日本ですでに開始されており、2022年3月にはトヨタ自動車(トヨタ)や日立製作所(日立)と共同で開発した水素ハイブリッド電車・FV-E991系『HIBAR』の実証実験を開始。同年5月にはENEOSと「鉄道の脱炭素化に向けたCO2フリー水素利用拡大に関する連携協定」を締結し、水素供給に必要な定置式水素ステーションの開発を連携して進めるとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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