住友ベークライトは、モーター、インバータ、ギアボックスなどのハウジングすべてをフェノール樹脂で構成した「黒いeアクスル」を展示していた。
EV(に限らずだが)の軽量化は、航続距離やコストに直結する重要な課題だ。バッテリー自体は金属類や希土類など比較的重い物質を多用するので、性能の効率化やセル、モジュールのパッケージングで対応することが多い。それ以外のボディ、内装その他の軽量化には既存車両のノウハウがつぎ込まれている。軽量化で注目されているのは、金属部品を樹脂やプラスチックに代替する方法だ。素材研究や製法の進化によって、強度や耐熱性など金属に近い性能を持つプラスチック製品は増えている。技術的にはリーフスプリングも樹脂製に代替可能になっている。
展示されていたeアクスルは、モーターケース、インバーターの筐体、デファレンシャルギアボックスのケースがアルミ合金などの金属ではなく、フェノール樹脂で作られている。これまでもECUやインバーターの筐体(弁当箱)やギアボックスなど、用途や要件によって樹脂化されたものは見たことがあるが、eアクスル全体を樹脂ケースとしたものは珍しい。