マセラティ初のEVは760馬力、『グラントゥーリズモ』新型に「フォルゴーレ」…上海モーターショー2023

出力300kWのパワフルなモーターを3基搭載

独自のバッテリー配置が車高を下げることを可能に

1回の充電での航続は最大450km

マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ(上海モーターショー2023)
マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ(上海モーターショー2023)全 10 枚

マセラティは4月19日、2シーター2ドアクーペ『グラントゥーリズモ』(Maserati GranTurismo)新型のEV「フォルゴーレ」を、上海モーターショー2023に出展した。

◆出力300kWのパワフルなモーターを3基搭載

ブランド初のEVの『グラントゥーリズモ・フォルゴーレ』には、3つのモーターを搭載し、システム全体でおよそ760psのパワーを引き出す。バッテリーの蓄電容量は92.5kWh。バッテリーパックは、車両のフロア下にT型に配置されている。

グラントゥーリズモ・フォルゴーレは、世界最高峰のEVレース「フォーミュラE」で培われたテクノロジーを導入して開発された800ボルト技術をベースにしている。出力300kWの強力な永久磁石モーターを3基搭載し、優れたパフォーマンスを追求している。

バッテリーの放電容量は560kWで、これにより連続的におよそ760psのパワーをタイヤに伝達することが可能になった。最大トルクは137.6kgm。このバッテリーの仕組みと配置により、スポーティさを損なうことなく、車高を1353mmに抑えることができたという。0~100km/h加速2.7秒、最高速325km/hの性能を可能にしている。

◆独自のバッテリー配置が車高を下げることを可能に

また、Tボーンと呼ばれるバッテリーパックの形状は、マセラティの「ゼロ・コンプロマイズ(妥協を一切しない)」アプローチの一環。バッテリーモジュールをシート下に配置せず、主にセンタートンネル周辺に移動させることにより、車高を大幅に下げることに成功したという。

技術的な構造面では、アルミニウムやマグネシウムなどの軽量素材と、高性能スチールの両方を使用している。この複数の素材を使用するという手法には、新しい製造プロセスが必要。その結果、クラス最高の重量レベルが実現されたという。

このアプローチは、最大 0.002 秒の速度で送信される canFD メッセージに基づく新しいアトラス・ハイ電気/電子構造と組み合わされている。また、レベル5の高度なサイバーセキュリティと「フラッシュ・オーバー・ザ・エア」機能を備えている。その支柱となるのが、マセラティが自社開発した「VDCM(ビークル・ドメイン・コントロール・モジュール)」マスターコントローラーだ。これは、あらゆる状況下で最高のドライビング体験を実現するために、重要な車両のシステムを360度コントロールするソフトウェアで構成されている。

◆1回の充電での航続は最大450km

また、マセラティ・イノベーション・ラボのエンジニアによって、電動モデルでもマセラティの象徴的なエンジン音による360度のサウンド体験を可能にした。このサウンド体験は、「ソナス・ファベール(Sonus faber)」の3Dサウンドシステムによって完成される。

イタリアの音響職人によって設計・製造されたこのオーディオシステムは、2段階のカスタマイズが可能。標準装備のサウンドシステムの14スピーカー、出力860Wに対して、最大19個のスピーカーと最大1195Wの出力を持つ3Dサウンドにより、奥行きのあるサウンドを実現した、と自負している。

グラントゥーリズモ・フォルゴーレは、1回の充電での航続が最大450km(WLTPサイクル)に到達する見通しだ。急速充電を利用すれば、航続100km分のバッテリー容量を5分で充電できる、としている。

《森脇稔》

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